軽度認知症障害と診断される基準は?診断された6割の人が3年以内に認知症を発症

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軽度認知症障害診断

2018年5月9日、日本人を対象に軽度認知症障害からアルツハイマー型認知症への進行過程の研究結果がアメリカの科学誌に発表されました。

 

発表した研究結果によると、認知症の前段階といわれている軽度認知症障害と診断された人の6割が、3年以内にアルツハイマー型認知症に進行したとされています。

 

東京大学など38の研究機関のチームが分析した今回の研究結果は、アメリカで行なわれた同様の研究結果とほぼ一致していて、日本人、アメリカ人を問わず、軽度認知障害からアルツハイマー型認知症へ進行する過程に差はないということが確認できたようです。

 

これまでアルツハイマー型認知症という言葉は聞いたことはあったのですが、軽度認知障害という言葉は聞いたことがなかったので、軽度認知障害について調べてみました。

 

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軽度認知症障害(MCI)とは

脳の欠落

軽度認知障害は、「Mild Cognitive Impairment」、通称MCIともいわれ、認知症ではないけれど、正常な物忘れではない記憶などの機能が低下している状態で、数年後には認知症なる可能性がある状態のことを言います。

 

軽度認知障害には、物忘れなどの記憶障害がある「健忘タイプ」と子供の顔がわからない、洋服が着れないなどの記憶以外の機能障害がある「非健忘タイプ」の2つのタイプがあります。

 

健忘タイプの軽度認知障害は、アルツハイマー型認知症、脳血管性認知症になる可能性が高く、非健忘タイプの軽度認知障害は、ピック病(前頭側頭型認知症)、レビュー小体型認知症、脳血管性認知症になる可能性が高いようです。

 

まずは、それぞれの認知症についてみてみましょう。

 

アルツハイマー型認知症

アルツハイマー型認知症は認知症の中でも最も多い認知症で、女性が多く発症しています。

 

症状はゆっくりと進んでいくのが特徴で、軽度な段階だと「同じ話を繰り返す」などの症状があり、中等度になると、「季節や状況にあった服を選ぶことができない」などの症状があり、重度の段階では、「着替えや入浴を嫌がる」などの症状が現れます。

 

アルツハイマー型認知症の根本的な治療方法は、まだ、確率されていなくて、アリセプト、レミニール、リバスタッチ、メアリーなど、4種類の薬が抗認知症薬として使用され、それら以外にも抑肝散(ようかんさん)や睡眠薬、精神安定剤なども併用しながらの薬による治療が一般的です。

 

脳血管性認知症

脳血管性認知症は、アルツハイマー型認知症に次いで患者数が多い認知症になります。

 

脳梗塞や脳出血、くも膜下出血などの病気が原因で脳の細胞に酸素や栄養分がめぐらなくなり、脳の神経細胞が死滅して脳血管性認知症を発症します。

 

脳血管性認知症の原因となる脳梗塞や脳出血は生活習慣病が原因で起こるので、アルコールやタバコ、運動不足など高血圧や高脂血症、糖尿病などになりやすい男性が多く発症しています。

 

ピック病(前頭側頭型認知症)

前頭葉と側頭葉の一部の脳が萎縮することで発症する前頭側頭型認知症の1つにピック病とよばれる認知症があります。

 

前頭側頭型認知症を発症した患者の脳の細胞にピック球があらわれるので、ピック病と呼ぶことが多いようです。

 

ピック病は40歳から60歳で発症することが多く、若年性認知症の代表的な疾病になります。

 

また、怖いのがピック病は病気になっているということを本人が自覚していないことが少ないということです。

 

レビュー小体型認知症

レビュー小体型認知症は新しく分類された認知症で、女性よりも男性が多く発症していて、認知症の約20%がレビュー小体型認知症とされています。

 

レビュー小体という特異なタンパク質が脳の中枢神経の一部や自律神経に出現して認知症を発症します。

 

レビュー小体型認知症の症状には、ぼんやりする、手足が震え筋肉が固くなる、浅い眠りのレム睡眠中に大声を出すなどがあり、「玄関に赤い服を着た人が立っている」など他に人には見えないものが見えるという幻視とよばれる症状があらわれることもあります。

 

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軽度認知症障害の症状

認知症ではないけれど、正常な物忘れより記憶力が低下している軽度認知症障害を見分けるのは難しいことです。

 

軽度認知障害のすべてが認知症になるわけではないのですが、6割の人が3年以内に認知症になると言われているので、早期発見、早期治療はとても大切です。

 

正常な物忘れは、物を忘れたことに気づいて思い出そうとしますが、認知症になると出来事そのものを忘れて、物忘れに気づかないので、異常だというサインを見過ごしがちになります。

 

軽度認知症障害の症状は、同世代の人と比べて物忘れの程度が強いのと、認知機能に障害があることです。

 

軽度認知障害の症状~物忘れ

・同年代の人と比べて物忘れの度合いが強い

 

・同じ話をすることが多くなった

 

・友人、知人の名前を忘れる

 

・銀行口座の暗証番号を忘れる

 

・お金を払うとき、小銭があるのにお札で払うことが増えた

 

・料理の味付けが変わった

 

・車の運転や仕事の様子が変わった

 

・ドラマなどが楽しめなくなり、テレビを眺めているようになった

 

認知機能障害

認知機能は、記憶や思考、理解や計算、学習や言語、判断などの知的な能力を指していて、これらの機能に障害がみられると日常生活や社会生活をおくる上で支障がでてきます。

 

認知機能は、失語や失認、失行や実行機能のことで、物忘れに加えてこれらの機能に障害が1つでもあらわれると軽度認知障害になります。

 

失語

失語とは、言葉を忘れてしまい言おうとした言葉を言えない、話している言葉が理解できないなど、聞く、話す、読む、書くといった音声と文字に関わる機能に障害があらわれた状態になります。

 

・言い間違いが増える

 

・読んだり書いたりすることが難しくなる

 

・自分の気持ちや考えをうまく言えない

 

・他人と話していても会話の内容を理解できない

 

・順序だてて会話を組み立てることができない

 

・物の名前や人の名前など、言葉が思い出せない

 

失認

失認とは、知り合いの顔、物の色や物の大小を認識できないなど、視覚や聴覚、触覚などをとおして対象物を認識することができなくなる障害です。

 

失認は、視覚失認、聴覚失認、触覚失認の3つに分けられます。

 

視覚失認

視覚失認には、物体失認、相貌失認(そうぼうしつにん)、空間失認の3つに大きく分けられます。

 

物体失認は、物を見てもそれが何という名前なのか分からなくなることで、ペンや鉛筆を見てもその名前で呼ぶのではなく、「書くもの」という言い方をしたりします。

 

相貌失認は知り合いの顔を見ても誰の顔かが分からなくなったり、人の表情を読み取ることができななくなります。

 

有名人だと、あのブラット・ピットが雑誌のインタビューで「自分でも分からないけど、僕は人の顔が認識できない」と悩みを打ち明けています。

 

空間失認は半空間無視とも言われていて、障害によって脳の大脳半球の対側が認識できなくなることで起こります。

 

一般的に右半球に障害があって、対側の左側半分が見えなくなることが多いです。

 

食事の時に出された料理の向かって左側にはまったく手をつけず、右側にある料理だけ手をつけたり、左側が見えなくなることで、シャツを着たり、ズボンをはけなくなったりします。

 

聴覚失認

聴覚失認は、聴力は正常で聞こえているはずなのに、音を聞いても何かがわからなくなることで、見たり触ったりするとそれが何なのかがわかるということになります。

 

動物の鳴き声を聞いても認識できない、他人が話していることが理解できないなどがあります。

 

触覚失認

触覚失認は、痛い、熱い、冷たい、震えているなどの感覚そのものには問題がないのに、物に触れただけではそれが何なのかがわからない状態で、目で見たりすればそれが何なのかがわかるということです。

 

失行

失行とは、運動機能に問題がないにもかかわらず、目的に沿った行動ができないという状態のことです。

 

・起立がきちんとできない

 

・舌打ちや口笛ができない

 

・服のボタンが掛けられず着替えができない

 

・テーブルの上に置いてある硬貨をつまむことができない

 

・くわえたばこにライターで火がつけられない

 

・歯磨きができない

 

・お風呂に入ることができない

 

などの症状があります。

 

実行機能

実行機能は、目標をたてて、その目標に対して行動ができない、プランをたてることができないなど、考えて行動することができなくなったりします。

 

・ご飯を炊きながら、おかずを作るという同時に並行して作業ができない

 

・出かける準備ができない

 

・いつも行っている子供の家にたどり着けずに迷子になってしまう

 

・真冬なのに夏に着るような洋服を着るなど、季節感がない服をきてしまう

 

・買い物に行っても、冷蔵庫にあるのに同じ食材を買ってくる

 

などの症状があります。

 

もしも、軽度認知症障害と診断されたら

家庭の健康志向もしも、軽度認知症障害と診断された場合ですが、現時点ではまだ有効な治療法は確立していません。

 

ただ、何もせずに放っておくと症状は進行していき、やがて認知症になってしまうことになります。

 

 

ですので、軽度認知症障害と診断されたら、できるだけ進行を遅らせるために、薬を服用したり、脳梗塞や脳出血、糖尿病や高脂血症などの生活習慣病にならないように食事やアルコール、タバコなど普段の生活を見直してみてください。

 

また、認知症になってしまうと、本人の意思確認ができないということで、売買契約が結べない、老人ホームに入所するための契約が結べないなど自由にできなくなることがあります。

 

そうならないためにも、特に高齢者の方は正常な判断ができ、健康な間にできることはするようにしてください。

 

例えば、

 

エンディングノートを書いておく

 

遺言書を書いておく

 

預金や保険、不動産や有価証券など、どうなっているのかを家族に伝える

 

弁護士や親族(4親等以内)など誰を成年後見人にするのかを決めておく

 

などがあります。

 

 

認知症は特別な病気ではありません。

 

認知症の正しい知識を知って、認知症の兆候を知り早期治療をすれば症状が改善される可能性があります、

 

認知症の正しい知識が学べる認知症対策マニュアルはコチラ⇒

 

まとめ

ここまで、軽度認知症障害の原因や症状、もし、軽度認知症障害と診断された場合について解説してきました。

 

軽度認知症障害という認知症の前段階を見過ごしてしまうと、気がついたときには認知症になっていることがあるので、周りの人が早めに気づいてあげることが大切です。

 

周りの人を見ていて、「いつもと違う・・・」「ちょっと、変?・・・」など、いつもとは違う違和感を感じたときは、まずはもの忘れ外来などがある病院に行き、診察を受けるように勧めてください。

 

治らないと言われている認知症ですが、早期発見、早期治療は症状を軽くしたり、進行を遅らせることもできます。

 

今は元気で健康だからといって何もしないということではなく、今の内から食生活を見直したり、適度な運動をしたり、ストレスを発散できるような趣味をみつけたりするようにして生活習慣病にならないようにしていきましょう。

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