
目 次
親の介護をしている子ども、高齢者同士で介護をしている老老介護、遠く離れた親の介護など、介護のスタイルはさまざまあります。
中には、「みっともない・・」、「恥ずかしい・・」などの理由で、兄弟や家族だけで介護していることもありますが、限られた人だけで介護を続けるには限界があります。
介護には、介護をする人の時間的な負担、自由な時間が減ってしまう精神的な負担、病院への通院など金銭的な負担が必要になり、時間的、精神的、金銭的な負担がいつまで続くのか、考えるだけで不安になってしまいます。
これらの不安は介護保険が提供している介護サービスを利用することで、時間的、精神的、金銭的な負担を軽減することができ、介護に対して前向きになれるのではないでしょうか。
しかし、介護保険が提供している介護サービスにどのようなサービスがあるのかよくわからない人が少なくありません。
介護サービスは、要支援、要介護など介護の度合いや、自宅で介護サービスをうけるのか、それとも施設で受けるのかによって、サービスの種類が変わります。
介護サービスの種類やそれぞれの特徴などを理解しておくことで、効率よく介護サービス利用することができます。
そこで、今回はどのような介護サービスがあるのか、介護サービスを提供する方法によって、大きく6つにわけることができるので、それぞれの特徴などについてみていきます。
Sponsored Links
介護サービスを利用する前に
介護サービスを利用する前に介護認定を受ける必要があります。
介護認定とは、介護サービスを利用する前に利用者にどのような介護サービスがどの程度必要なのかを決めることで、介護区分の認定が終わると、判定結果が申請者に郵送で通知されます。
要支援1もしくは要支援2の区分になった人は、地域包括支援センターに行って、利用者の心身の状況や生活環境などの課題について相談をしながらケアプランを作成していきます。
要介護1から要介護5の区分になった人は、ケアマネージャーが利用者宅を訪問して、利用者の心身の状況や生活環境などについて把握し、課題を分析しながら家族を含めた話し合いしてから、ケアプランを作成していきます。
ケアプランが作成されるとサービス事業者と契約して、ケアプランに基づいて介護サービスの利用が始まります。
介護保険サービスの種類
ケアプランがされると、介護サービスの利用が始まりますが、利用できる介護サービスの種類は、大きくわけて6つにわけることができます。
特に「訪問型」、「通所型」、「短期入所型」の介護サービスは、介護の三大サービスとも言われていて、聞いたことがある人もいるのではないでしょうか。
ここからは、種類ごとに、それぞれどのような介護サービスなのか、介護サービスの内容についてみていきます。
訪問型サービス
訪問型サービスでもっとも利用されているのが、自宅にホームヘルパーの人が訪問してくれて、食事や排泄、掃除や洗濯など身の回りのお世話をしてもらう訪問介護サービスになります。
基本的には、「1日〇〇分、週に〇回」と決めて利用します。
訪問型サービスは、他に訪問入浴介護と訪問看護というサービスもあります。
訪問入浴介護は、自宅のお風呂で入浴が困難な人のために、移動入浴車という特別な車で自宅に訪れて、スタッフに入浴をさせてもらうサービスです。
また、訪問看護は、看護師に自宅を訪問してもらい、医師の指示のもとにたんの吸引や床ずれなどの手当てをしてもらうサービスになります。
通所型サービス
通所型サービスは、利用者が施設に通って、食事や排泄、入浴などの介護サービスを受けることで、「デイサービス」と言われる介護サービスにあたります。
デイサービスと呼ばれる通所型サービスは、日中の7時間から8時間を施設で過ごすのですが、自宅までの送迎補助も含まれています。
通所型サービスは、他にレクレーションを行う集いの場所であったり、生活機能を向上させるためにトレーニングを行う機能訓練の場所でもあります。
短期入所型サービス
短期入所型サービスは、介護の必要な人が、介護老人福祉施設などに、短期的に入所して介護サービスを受ける短期入所生活介護と看護が必要な人が介護老人保健施設などに、短期的に入所して看護サービスを受ける短期入所療養看護の2種類があります。
生活介護、療養介護であっても、短期的に入所して受けるサービスになるので、「ショートステイ」と言われることが多いサービスになります。
短期入所生活介護(介護型ショートステイ)は、常に介護が必要な人に食事や排泄、入浴などの生活上の支援や機能訓練などのサービス内容になっていて、利用者の心身機能の回復や介護をしている家族の負担を軽減する役目もあります。
短期入所療養看護(医療型ショートステイ)は、定期的な検査が必要な人や集中的にリハビリを行う必要な人、認知症の人などを医療的なケアを中心にしたサービス内容になっていて、施設には、医師や看護師、理学療法士、作業療法士などが配置されています。
短期入所型サービスは、一泊二日から利用できるのですが、連続して利用する場合は30日までと決められているので、継続して利用する場合は、再度申込み手続きをする必要があります。
組合せ型サービス
組合せ型サービスは、「訪問」、「通所」、「短期入所」の3つを組み合わせたサービスになり、小規模多機能型居宅介護と呼ばれています。
小規模多機能型居宅介護は、利用者の状況に応じて、施設への通い、短期間での宿泊、利用者宅への訪問を組み合わせて、利用者ができるだけ自立した生活がおくれるように、柔軟な対応をしてくれる介護サービスになります。
また、小規模多機能型居宅介護に、看護師による訪問看護を組み合わせた看護小規模多機能型居宅介護という複合型の組合せサービスもあります。
ただ、看護小規模多機能型居宅介護は、要支援1、2の人は利用することができず、要介護の人だけが利用できるようになっています。
環境改善型サービス
環境改善型サービスは、「福祉用具の貸与」、「特定福祉用具の購入」、「住宅改修」の3つがあります。
福祉用具の貸与は、福祉用具を利用することで、利用者が日常生活をおくりやすくなり、家族の介護への負担軽減にもつながる、福祉用具のレンタルサービスになります。
福祉用具は、車いすや歩行器、徘徊感知機器など、指定された13品目が対象になります。
特定福祉用具の購入は、福祉用具の貸与にはなじまない、腰掛便座や簡易浴槽などの福祉用具の購入費用を補助するサービスで、対象になるのは、指定された5品目になります。
住宅改修は、手すりの設置や、和式便器を洋式便器に変えたり、段差の解消をするなど、利用者が自宅で日常生活がおくりやすくなり、かつ、家族の介護負担の軽減にもつながります。
施設入所型サービス
施設入所は、常時、必要な介護が受けられる介護保険施設などに入所して、かかる費用の1割から3割を支払えば、利用することができます。
介護保険施設で代表的な施設は、介護老人福祉施設、介護老人保健施設、介護療養型医療施設の3つがあります。
介護老人福祉施設は、通称、特別養護老人ホームと呼ばれていて、入浴や食事、排泄の介助を含め、常に介護が必要な人の入所を受け付けていて、要支援1、要支援2の人は、やむを得ない理由がある場合を除いて基本的には利用することができません。
介護老人保健施設は、リハビリに重点をおいて、必要な医療、介護を含めて、在宅復帰を目指している人をの入所を受け付けていて、要支援1、要支援2の人は利用することができません。
介護療養型医療施設は、長期にわたっての療養が必要な人の入所を受け付けていて、自宅で自立した生活が送れるように、機能訓練や必要な医療、介護を提供しています。
ただ、介護老人保健施設と同様に、要支援1、要支援2の人は利用することができません。
Sponsored Links
介護保険サービスの種類一覧表
介護保険で利用できるサービスは、要支援1、要支援2と認定された人が利用できるサービス(予防給付)と、要介護1から要介護5までに認定された人が利用できるサービス(介護給付)があります。
予防給付は、生活機能を向上させて要介護状態にならないように介護予防を目的にした、介護の度合いが軽い人に向けのサービスになります。
介護給付は、要介護の認定を受けた人が利用したサービスに支払われる保険給付のことで、サービスの内容は、住み慣れた地域で高齢者が生活できるようにする地域密着型サービスになっています。
ここからは、介護保険で受けられる大きく6つにわけられる介護サービスの種類ごとにサービス内容を一覧表にしてみました。
介護サービス種類一覧表
【要支援対象(予防給付)】
訪問型 | 介護予防 |
介護予防訪問看護 | |
介護予防訪問リハビリテーション | |
通所型 | 介護予防通所リハビリテーション |
介護予防認知症対応型通所介護 | |
短期型 | 介護予防短期入所生活介護(ショートステイ) |
介護予防短期入所療養介護 | |
組合せ型 | 介護予防小規模多機能型居宅介護 |
環境改善型 | 介護予防福祉用具貸与 |
介護予防特定福祉用具購入 | |
介護予防住宅改修 | |
施設入所型 | 介護予防特定施設入居者生活介護(有料・軽度老人ホーム等) |
介護予防認知症対応型共同生活介護(グループホーム) |
【要介護者対象(介護給付)】
訪問型 | 訪問介護(ホームヘルプ) |
訪問入浴介護 | |
訪問看護 | |
訪問リハビリテーション | |
夜間対応型訪問介護 | |
定期巡回・随時対応型訪問介護看護 | |
通所型 | 通所介護(デイサービス) |
通所リハビリテーション | |
地域密着型通所介護 | |
療養通所介護 | |
認知症対応型通所介護 | |
短期型 | 短期入所生活介護(ショートステイ) |
短期入所療養介護 | |
組合せ型 | 小規模多機能型居宅介護 |
看護小規模多機能型居宅介護(複合型サービス) | |
環境改善型 | 福祉用具貸与 |
特定福祉用具購入 | |
住宅改修 | |
施設入所型 | 介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム) |
介護老人保健施設(老健) | |
介護療養型医療施設 | |
特定施設入居者生活介護(有料・軽度老人ホーム等) | |
認知症対応型共同生活介護(グループホーム) | |
地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護 | |
地域密着型特定施設入居者生活介護 |
介護保険サービス種類一覧表を印刷されるときは、以下にファイルを用意していますので、そちらから印刷をするようにしてください。
まとめ
ここまで、介護サービスの種類についてみてきました。
まとめると、以下の2点になります。
・介護サービスを利用するには、居宅介護支援サービスを受ける必要がある
・介護保険サービスの種類は、大きくわけて6種類ある
⇒訪問型、通所型、短期入所型、組合せ型、環境改善型、施設入所型
介護サービスは介護が必要にならないようにするための予防を目的としたサービスと、リハビリなどをしながら身体状況を改善させて自立した生活が送れるようにするための介護サービスがあります。
また、自宅に訪問してくれてり、施設に通ったりするなどサービスの利用の方法もさまざまあります。
介護認定で区分が決まりましたら地域包括支援センター、ケアマネージャーと相談しながら、利用者にとって最も適した介護サービスを利用するようにしてください。
今回は「介護保険サービスの種類」について紹介してきましたが、
「介護サービスの苦情やトラブル」についても以下の記事にまとめてあるので参考にどうぞ。
comment closed