
介護保険を使った住宅改修は、総額20万円まで給付を受けることができるのですが、毎年給付金がリセットされるわけではありません。
介護保険の住宅改修給付金は、一人一生涯一度だけの利用と規定されているので、一度使ってしまうと、それ以降は住宅改修給付金を使うことができません。
身体状況が変わり、介護の度合いが悪くなってしまうと、違う場所も住宅改修する必要がでてきますが、そんなときには、介護保険の住宅改修は使えないのです。。。
一人一生涯一度だけ利用できる介護保険の住宅改修ですが、実は一定の条件をクリアすると、給付金の20万円がリセットされるのです。
この記事では、介護保険の住宅改修のリセットについて紹介していますので、最後まで読んで頂くと、介護保険の住宅改修給付金20万円がリセットされる一定の条件について理解できるようになります。
Sponsored Links
介護保険の住宅改修とは
介護保険のサービスには、施設でのサービスや在宅でのサービスなど、さまざまな介護サービスがあります。
介護保険で行う住宅改修は、要介護または要支援の介護認定を受けていて、在宅で介護を受けているという人が対象で、住宅をバリアフリーにするための住宅改修費が支給されるという介護サービスになります。
支給される住宅改修給付金の上限額は20万円と決まっていて、利用者の所得によって違いはありますが、1割から3割の費用を自己負担することで利用できるようになります。
介護保険の住宅改修は一人一生涯一度だけの利用になり、対象になる住宅改修の工事内容も決められています。
【対象になる住宅改修工事内容】
- 手すりの取付け
- 段差の解消
- 滑りの防止及び移動の円滑化等のための床又は通路面の材料の変更
- 引き戸等への扉の取替え
- 洋式便器等への便器の取替え
- 1~6の住宅改修に付帯して必要となる住宅改修
介護保険の住宅改修リセット
介護保険の住宅改修は一人一生涯一度だけの利用なのですが、一定の条件をクリアすると給付金の上限額、20万円がリセットされます。
介護保険の住宅改修のリセットされる条件は、3段階リセットと転居リセットの2つになります。
3段階リセット
3段階リセットとは、はじめての住宅改修を着工した日の介護の度合いを基準にして、3段階以上介護の度合いが上がった場合、住宅改修給付金の上限額20万円がリセットされることです。
介護度(介護の必要の程度)は、要支援1.2、要介護1~5に区分されていて、6つの段階に分けられていて、わかりやすく表にすると以下のようになります。
第1段階 |
要支援1 |
第2段階 |
要支援2・要介護1 |
第3段階 |
要介護2 |
第4段階 |
要介護3 |
第5段階 |
要介護4 |
第6段階 |
要介護5 |
ここで、気をつけたいのは、要支援2と要介護1が同じ段階に区分されているということです。
3段階リセットは1人1回までとされていて、例えば要支援1の人が要介護3に介護の度合いが上がったり、要介護2の人が要介護5に介護の度合いが上がったときに3段階リセットは適用されます。
しかし、はじめての住宅改修着工日の時点で要介護3以上の人だと、介護の度合いが要介護5までしかないので、3段階以上介護の度合いは上がれないので、リセットされることはありません。
はじめて住宅改修の着工日時点の介護度 |
現在の介護度 |
要支援1 |
要介護3・4 |
要支援2・要介護1 |
要介護4・5 |
要介護2 |
要介護5 |
要介護3・4・5 |
3段階以上は上がれないのでリセットなし |
転居リセット
転居リセットとは、転居することで住所が変わり、住宅改修給付金の上限額20万円がリセットされるということです。
転居リセットは、転居による住民票の移動で、介護保険被保険者証の住所が変わることで適用されるので、制度上は何度でも利用できるということになります。
とはいえ、同一市区町村内での住所変更では、転居リセットはできないのですが、市区町村により判断が異なる場合がありますので、確認するようにしてみてください。
転居リセットの例としては、以前に介護保険の住宅改修をしていて、A県A市で一人暮らしをしている親を介護するために、B県B市にある自分の家を住宅改修する場合はリセットされます。
この場合、親の介護の度合いはA県A市で認定されているので、転居先のB県B市でも介護の度合いはそのまま移行できる、引き続き介護サービスが利用できます。
また、B県B市で介護を受けていた親が元のA県A市に転居した場合は、住宅改修給付金の上限額20万円はリセットされることはなく、A県A市を転居した時点からのスタートになります。
介護保険証の住所変更についてはこちらで詳しく解説しています⇒
Sponsored Links
効率的に介護保険の住宅改修を利用
介護保険の住宅改修給付金の上限額は20万円の使い方はさまざまあります。
例えば、1回2万円の工事を10回行ったり、1回の工事で20万円を一度に使うなど、一人で総額20万円を使えるということです。
効率的な介護保険の住宅改修ですが、夫婦2人の世帯で使える方法になります。
介護保険の住宅改修給付金の上限額20万円で、一人一生涯一度の利用になりますが、夫婦2人の世帯だと、2人分の総額40万円が使えるということです。
夫婦で住宅改修をする場所を変えれば、工事を同時に行うことができます。
例えば、ご主人さんの介護保険で屋外のスロープと手すり、奥様の介護保険で浴室やトイレに手すりを付けたり玄関の段差解消を行います。
このように、ご夫婦同時に違う場所でそれぞれの住宅改修を行えば、効率よく介護保険を使うことができます。
介護保険の住宅改修リセットのまとめ
ここまで、介護保険の住宅改修のリセットについてみてきましたが、まとめると以下の5点になります。
・介護保険を使った住宅改修は6種類の工事が対象になる
・介護保険の住宅改修給付金の上限額は20万円
・介護保険の住宅改修は一人一生涯一度だけの利用が基本
・介護の度合いが3段階上がる、もしくは転居によって住宅改修給付金はリセットされる
・夫婦2人同時に住宅改修を行うと、総額40万円の住宅改修工事ができる
ほとんどの人は、介護保険の住宅改修給付金は一度利用すれば終わりと思っています。
基本的には一人一生涯一度の利用になりますが、3段階リセット、転居リセットを使えば、住宅改修給付金はリセットされるので、身体状況や住宅状況が変わったときは助かる制度になります。
介護の度合いが変わったとき、転居したときは、住宅改修給付金20万円がリセットされる可能性があるので、最寄りの地域包括支援センターか住んでいる市区町村の介護保険担当課に問合せをしてみてください。
今回は「介護保険の給付金がリセットされる条件」について紹介してきましたが、
「介護保険を使った住宅改修の限度額と回数」についても以下の記事にまとめてあるので参考にどうぞ。
comment closed