住宅改修に必要な理由書の作成者は誰?理由書にかかる費用と作成手順を解説!【記入例あり】

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介護保険を使った住宅改修の申請をするには、理由書が必要になるのですが、理由書についてよく知らない人が少なくありません。

 

「理由書は誰が書いてくれるの?」

 

「理由書を書いてもらうのに費用はかかる?」

 

「理由書には何を書けばいいの?」

 

など、このような疑問などがあるのではないでしょうか。

 

そこで、今回は住宅改修になぜ理由書が必要なのか、理由書の作成者、理由書の作成にかかる費用、理由書の作成手順など、理由書の記入例を含めながら、理由書について調べてみました。

 

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住宅改修に理由書はなぜ必要?

住宅改修に理由書はなぜ必要なのかというと、住宅改修をする前に利用者が現在抱えている問題を整理して明確にすることで、より効果的で満足がいく住宅改修が行えるようになるということです。

 

理由書を作成することで、利用者の身体状況、介護状況などから住宅改修で日常生活をどう変えたいのかを明確にでき、住宅改修後に困難だった生活動作が改善されることで、自立性の変化を促すことができるようになります。

 

理由書は、保険者である市区町村が利用者の現状を把握するだけでなく、利用者が抱えている問題点や住宅改修後の効果を明確にすることで、利用者や家族が生活環境を変えていく目標を共有できるようにもなります。

 

理由書の作成手順については、市区町村の介護保険を担当する課に、作成の手引きなどが用意されているので、書き方がわからない場合は手引きを参考に作成することができます。

 

とはいえ、理由書を作成する場合、少なくても介護や住宅改修に関する知識が必要になり、誰でも理由書を作成できるというわけではありません。

 

理由書の作成者は誰?

理由書の作成者は、介護支援専門員や作業療法士など、介護の専門職の人や介護に関する資格などを持っている人になります。

 

具体的には、

 

・ケアマネージャー
・介護支援専門員
・地域包括支援センター担当職員
・社会福祉士
・保健師
・作業療法士
・理学療法士
・福祉住環境コーディネーター(2級以上)
・医師
・増改築相談員
・マンションリフォームマネージャー
・一級建築士

 

になりますが、基本的には、ケアマネージャーが理由書を作成する場合が多いです。

 

ケアマネージャーは住宅改修の理由書作成に限らず、介護サービスを利用するのに必要なケアプランの作成なども行ってくれますので、住宅改修を考えている人は、まずは、ケアマネージャーに相談するようにしてください。

 

また、保険者(市区町村)により、理由書を作成できる資格等が異なる場合がありますので、ケアマネージャー以外の人が作成する場合は、保険者に確認するようにしてくださいね。

 

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理由書の作成にかかる費用は

理由書の作成にかかる費用は、まったくかからないので、利用者がその費用を負担することはありません。

 

また、住宅改修の申請に必要な理由書の作成をした人には、保険者(市区町村)から費用の一部を手数料として支給してくれます。

 

理由書の作成はケアマネージャーが行うのが基本ですが、介護サービスを利用したことがない人の理由書をケアマネージャーなどの介護職以外の人が作成したときは、その人に対して1件当たり2,000円(消費税課税事業者については2,160円)が手数料として支給されます。

 

理由書の作成手順

理由書の作成手順は、保険者が指定している書式の理由書に、利用者の氏名や住所、要介護度や被保険者番号、現地確認日や作成日、理由書を作成した人の資格や事業所の情報などの必要事項を記入します。

 

必要事項の次に記入していくのが、利用者の身体状況、介護状況、住宅改修により日常生活をどのように変えたいのかを記入していきます。

 

記入していく流れは、以下のようになります。

 

①(病名)により

②(症状)という状態で

③(困難)な状況にあるので

④(目的)の為に

⑤(工事の内容)を行う。

 

では、どのように記入していけばいいのか、記入例をみていきましょう。

 

理由書の記入例

【利用者の身体状況】

 

加齢に伴い、立位や歩行のバランスが低下している。

移動については、屋内はゆっくりではあるけれど、ものにつかまらずに歩くことができる。

屋外では、杖を使っての歩行になるが、過去に転倒の経験が数回ある。

ADLはおおむね自立しているけれど、不調時には、見守りや声かけが必要になります。

 

※ADLとは、食事、移動、排泄などの基本的日常生活動作のことです。

 

【介護状況】

 

夫と二人暮らしで、夫(80歳)が入浴中の一部見守りをしています。

現在、介護サービスは週に2回、デイサービスを利用しています。

 

【住宅改修により日常生活をどのように変えたいのか】

 

これまでに数回、浴室内で転倒の経験がありますが、幸いにも骨折等はしていません。

しかし、再び転倒して骨折をしないか、本人、夫とも心配しています。

本人は毎日、自宅で入浴することを楽しみにしているので、浴室内の動線を改善することで安全性が確保することができ、一人で安心して入浴できるようになります。

 

【工事の内容】

 

「改善しようとしている動作と状況」

浴室出入り口の出入り、浴槽の出入り 

※浴室の出入り(段差12cm) 浴槽の出入り(縁高55cm)

 

 

「改修目的と期待効果」

転倒等の防止、安全の確保、動作の容易性の確保、利用者の精神的負担や不安の軽減、介護者の負担の軽減
下記により一人で入浴できるようになり、夫の見守りの負担も軽減できる。

・浴室出入り口の内側壁面に、つかまる所を設ける
・浴槽の出入りについては、すのこ(福祉用具)と縦手すりで対応

 

まとめ

ここまで、住宅改修になぜ理由書が必要なのか、理由書の作成者、理由書の作成にかかる費用、理由書の作成手順など、理由書の記入例を含めながら、理由書についてみてきました。

 

まとめると、以下の4点になります。

 

理由書を作成することで、現在抱えている問題を整理でき、効果的で満足がいく住宅改修が行える

 

基本的には、ケアマネージャーが理由書を作成

 

ケアマネージャー以外にも保険者が認めた人は、理由書の作成ができる

 

理由書の作成で利用者がその費用を負担することはない

 

介護保険を使った住宅改修に必要な理由書の作成は、ケアマネージャーが基本的には行ないますが、ケアマネージャー以外にも保険者が認めた人は、理由書を作成することができます。

 

しかし、理由書作成ができる資格を持たない工事業者が理由書を作成して、印鑑だけをケアマネージャーにもらい、申請を行っている場合があります。

 

これは、介護保険法上正しくはなく、違法行為になり、発覚すると利用者にも迷惑がかかる恐れがあります。

 

介護保険の住宅改修で必要な理由書は、ケアマネージャーを含め、保険者に認められた資格を持っている人に作成してもらい、正しい手続きを行うようにしてくださいね。

 

 

今回は「住宅改修に必要な理由書」について紹介してきましたが、
「介護保険を使った住宅改修の回数」についても以下の記事にまとめてあるので参考にどうぞ。

 

⇒介護保険を使った住宅改修に回数の制限はあるの?限度額と回数について詳しく解説!

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