住宅改修を介護保険でする条件とは?知らなきゃ損する高齢者等の住宅改造費助成とは

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介護費用

老人の白い杖65歳以上の高齢者が住んでいる多くの住宅は、20年、30年前に建てられた家が多く、家の中や外には様々な段差があり、高齢者にとっては生活しづらい家になっています。

 

家の中や外に段差があると、つまづいて転んだり、状況によっては骨折やケガをしてしまい、そのまま入院ということにもなりかねません。

 

家の中や外にある段差を解消して、生活しやすく、ケガをしないためにも、家をバリアフリーにするための住宅改修が必要不可欠になります。

 

とはいえ、年金収入などで生活している高齢者にとって、住宅改修にかかる費用の負担は重く、住宅改修ができていない家が少なくありません。

 

しかし、高額になる住宅改修費用を介護保険や市区町村が実施している高齢者等の住宅改造費助成という制度を利用すれば、住宅改修費用の負担を減らすことができるようになります。

 

介護保険料や市区町村に税金を納めているのであれば、利用しない手はありません。

 

そこで今回は、住宅改修を介護保険でする条件と高齢者等の住宅改造費助成について調べてみました。

 

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介護保険で住宅改修がなぜできる

介護保険で住宅改修ができるのは、住み慣れた自宅で生活を続けられるようにするためです。

 

介護保険の住宅改修は、介護認定を受けた人が、今の状態を維持してそれ以上悪化しないように予防することを目的としていて、高齢者が自立した生活をおくれるように支援する介護サービスになります。

 

住宅改修を介護保険でする条件とは

骨折した足

住宅改修を介護保険でする条件とは、以下の6点になります。

 

介護保険の被保険者で介護認定を受けていること

 

要介護認定者が現に居住する住宅であること

 

要介護認定者の心身状況、住宅状況に照らして必要な住宅改修であること

 

介護保険給付対象の範囲内の改修であること

 

医療機関に入院または介護保険施設に入所していないこと

 

住宅改修費の支給限度額の20万円を使いきっていないこと

 

これだけでは少しわかりにくいと思うので、一つずつもう少し説明していきますね。

 

介護保険の被保険者で介護認定を受けていること

65歳になると、医療保険の保険証とは別に、介護保険の被保険者証が市区町村から送られてきて、介護保険の被保険者になります。

 

介護保険被保険者証は、要介護認定の申請やケアプランの作成依頼、介護サービスを利用するときに必要になります。

 

介護保険の住宅改修を申請するには、要介護認定を受けて、要支援1・2、要介護1~5の7段階のいづれかの認定を受けていることが条件になります。

 

ですので、介護保険被保険者証を持っているだけでは、介護保険の住宅改修を行うことができず、万が一、要介護認定を受ける前に住宅改修を行ってしまうと、介護保険の給付対象にならないので注意が必要です。

 

要介護認定者が現に居住する住宅であること

要介護認定を受けた人が、実際に住んでいる住宅で、かつ、介護保険被保険者証者に記載されている住所であることが条件になります。

 

要介護認定を受けているけれど、介護保険被保険者証に記載されている住所とは違う娘や息子さんの家に住んでいる場合は、介護保険で住宅改修を行うことができません。

 

要介護認定者の心身状況、住宅状況に照らして必要な住宅改修であること

これは、要介護認定を受けた人が、片麻痺で杖がないと歩行が難しい、すり足でしか歩くことができないなど、その人の身体状況と、手すりのない階段や廊下、トイレの敷居段差など住宅の状況を照らし合わせて、その工事が必要なのかどうかを判断します。

 

要介護認定を受けた人の身体状況は、申請するときに添付する理由書で確認され、住んでいる住宅の状況は、添付する図面や写真などで確認されます。

 

理由書は、ケアマネージャーに依頼すると作成してくれ、添付する図面や写真などの資料は、住宅改修をする工事業者の人が用意してくれます。

 

介護保険給付対象の範囲内の改修であること

バリアフリー ドア

介護保険の給付対象になっている範囲の改修工事は、以下の6種類になります。

 

①手すりの取付け

②段差の解消

③滑りの防止及び移動の円滑化等のための床又は通路面の材料の変更

④引き戸等への扉の取替え

⑤洋式便器等への便器の取替え

⑥その他前各号の住宅改修に付帯して必要となる住宅改修

 

これだけでは少しわかりにくいと思うので、もう少し説明していきますね。

 

手すりの取付け

手すりは、玄関や廊下、トイレや浴室などで、転倒を予防したり、移動や移乗の動作を補助するために取付けます。

 

手すりの形状は、縦型や横型、L型や二段式など、さまざまな形状があり、利用する人の身体状況や動作を考えながらその形状が決められます。

 

手すりは、取付けに伴って工事をする必要があるものを指していて、福祉用具で貸与される置くだけのような手すりは対象にはなりません。

 

段差の解消

段差の解消は、居室や廊下、トイレや浴室、玄関や玄関から道路までの通路にある段差または傾斜を解消するために行う工事です。

 

具体的には、敷居を取り除いたり、スロープを設置したり、浴室の床や浴槽のかさ上げなどを行ないます。

 

また、段差解消で利用されるスロープのうち、福祉用具で貸与される置くだけのスロープは対象にはなりません。

 

滑りの防止及び移動の円滑化等のための床又は通路面の材料の変更

移動をするときに、滑ったり転んだりしないようにスムーズに移動できるように床材や通路面の材料を変更する工事になります。

 

具体的には、居室だと畳み敷きからフローリングやビニール系の床材に変更したり、玄関から道路までの通路にコンクリートで歩道を造るなどがあります。

 

引き戸等への扉の取替え

引き戸等への扉の取替えは、身体をよけて扉を開ける動作が必要な開き戸から、身体をよけずに扉を開けることができる引き戸などへの扉の変更になります。

 

具体的には、開き戸を引き戸や折れ戸、アコーディオンカーテンなどに取り替える扉全体の変更のほかに、扉が開けやすいレバーハンドルへのドアノブの変更や戸車の設置なども含まれています。

 

また、引き戸への変更で自動ドアを設置した場合、自動で扉を開け閉めする動力部分の工事は対象外になるので、ご注意してください。

 

洋式便器等への便器の取替え

洋式便器等への便器の取替えは、和式便器から洋式便器への取替えのことで、暖房便座や洗浄機能がついた洋式便器への取替えも含まれます。

 

その他前各号の住宅改修に付帯して必要となる住宅改修

その他前各号の住宅改修に付帯して必要となる住宅改修とは、手すりの取付けや段差の解消、床材変更や引き戸への扉の変更、便器の取替えなどの工事をするときに付帯する工事のことになります。

 

具体的には、手すりを取付けをするための壁の下地補強、浴室の床段差を解消するときの給排水設備工事、床材の変更のためにする下地の補修や根太材の補強、扉を取替えるための壁または柱の改修工事、便器を取替えるための給排水設備工事などがあります。

 

医療機関に入院または介護保険施設に入所していないこと

医療機関に入院または介護保険施設に入所している場合は、介護保険で住宅改修工事をすることができません。

 

しかし、退院、退所することが確実で、在宅での生活に備えて住宅改修が必要な場合は、住宅改修工事をすることができます。

 

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住宅改修費の支給限度額の20万円を使いきっていないこと

介護保険の住宅改修費は、要支援1・2、要介護1~5の、どの段階であっても一律20万円の定額になっています。

 

利用者は、所得などで決められた負担割合に応じて、工事にかかる費用の1割から3割を負担します。

 

支給限度額の20万円は、一人生涯一度きりで、20万円の範囲内であれば、分割して利用することができます。

 

また、以下の条件に該当する場合は、再度20万円の支給を受けることができます。

 

介護の度合いが3段階以上あがった

これは、はじめて住宅改修費が支給された住宅改修の着工日時点を基準にして、介護の度合いが3段階以上あがった場合に限り、リセットされてもう1回20万円までの支給を受けられるということです。

 

例を挙げると、

 

要支援1または経過的要介護(第1段階) → 要介護3(第4段階)

 

要支援2または要介護1(第2段階)   → 要介護4(第5段階)

 

要介護2(第3段階)          → 要介護5(第6段階)

 

具体的には以下の表を参考にしてください。

 

介護が必要な程度をみる目安 要介護状態の区分
第6段階 要介護5
第5段階 要介護4
第4段階 要介護3
第3段階 要介護2
第2段階 要支援2または要介護1
第1段階 要支援1または経過的要介護

 

住所が変わった(引越した)

これは、介護保険を利用して住宅改修をした住宅から引越した場合、リセットされて新たな住宅でも20万円の支給限度額まで利用することができます。

 

引越しをするときの手続きは、同じ市区町村内であれば、転居届を提出して、介護保険を担当している課に住所変更を申請するだけでOKです。

 

しかし、県外や違う市区町村に引っ越しをするときは、少し手続きが複雑になります。

 

まずは、住んでいた自治体の介護保険を担当している課に、介護保険被保険者証を返納して、資格喪失手続きを行ない、介護保険受給資格証の交付を受けます。

 

次に、引越し先の自治体の介護保険を担当している課で、転入日から14日以内に介護保険受給資格証を添えて申請をすれば、それまでの介護認定が引き継がれます。

 

また、引越しをして新たな住宅で住宅改修をしたけれど、元の住宅に戻った場合は、再度リセットされることはなく、元の住宅での支給状況が復活することになります。

 

高齢者等の住宅改造費助成とは

滑る高齢者等の住宅改造費助成とは、介護が必要な人が住み慣れた住宅で安心して生活が送れるように、市区町村の自治体が住宅改修の費用を助成してくれる制度になります。

 

市区町村によって、「要介護高齢者等住宅改造費補助制度」「高齢者の住まい(高齢者住宅改造費の助成等)」、「高齢者等住宅改修費補助」とその名称に違いがありますが、介護保険の住宅改修を補うことが目的になっています。

 

高齢者等の住宅改造費助成の対象者は

高齢者等の住宅改造費助成の対象者は、その市に住んでいて、要支援または要介護の介護認定を受けている人になります。

 

対象者の人の住宅を自治体の職員が訪問をして、住宅の状況、対象者の身体状況などを調査して、安心して日常生活をおくるためには改修工事が必要であると判断されると、住宅改修の費用の助成が受けられるようになります。

 

住宅改造費を助成してくれる工事内容

トイレの手すり住宅改造費を助成してくれる工事の対象箇所は、玄関や玄関から道路までの通路、居室や廊下、トイレやキッチン、浴室や洗面脱衣室になります。

 

工事の内容は、手すりの取付けや段差の解消、浴槽の取替えやトイレの洋式化、床材の変更など、対象者が住んでいる住宅の状況、身体の状況などによって決められていきます。

 

新築や増築などの工事は対象外になるので、注意してくださいね。

 

 

住宅改造費の助成の費用はいくら

住宅改造費助成の費用は、市区町村によって違いがありますが、介護保険の住宅改修で支給される20万円と併せて利用することができるので、比較的大きな改修工事をすることができるようになります。

 

私の実家の住宅改修は、住宅改造費助成と介護保険を併用して住宅改修工事をしたのですが、介護保険から20万円、住宅改造費助成から80万円の合計100万円が対象基準額でした。

 

介護保険からの住宅改修の支給限度額は全国どこでも20万円と一律ですが、自治体が助成してくれる住宅改造費の上限額は、広島市だと60万円、鹿児島市で66万6千円、柏市で36万円などのように自治体によって異なります。

 

高齢者等の住宅改造助成費用は、自治体が上限額の満額を補助してくれることはなく、所得税や市民税など納付している税金額や前年度の所得などによって、上限額の3分の2、5分の2など、助成割合に違いがあります。

 

まとめ

ここまで、住宅改修を介護保険でする条件と高齢者等の住宅改造費助成についてみてきました。

 

まとめると、以下の7点になります。

 

    • 介護保険に加入していて介護認定を受けている
    • 介護認定を受けている人が実際に住んでいる住宅である
    • 介護認定された人の心身状況と住宅の状況に沿った住宅改修である
    • 介護保険が給付される範囲の工事内容である
    • 病院に入院または介護保険施設に入所していない
    • 支給限度額の20万円を使いきっていないこと
    • 介護保険と高齢者等の住宅改造費助成を併用して住宅改修ができる

 

介護保険を利用して住宅改修ができることを知っている人は多いと思いますが、高齢者等の住宅改造費の助成については知らない人が少なくありません。

 

高齢者等の住宅改造の助成費用は、自治体によって違いはありますが、介護保険の支給限度額の20万円と併用して利用できるので、費用の負担を軽減することができるようになります。

 

介護保険でする住宅改修と高齢者等の住宅改造費の助成については、申請や事前調査などがあるので住宅改修工事に取りかかるまで1ヶ月くらいはかかることもありますが、急ぐからとって申請をする前に住宅改修工事をしないようにしてください。

 

申請をする前に住宅改修工事をしていまうと、介護保険から支給されない、自治体から費用の助成が受けられないということになり、費用の全額を自己負担することになりかねません。

 

また、申請方法や施工業者などについてはケアマネージャーさんがよく知っているので、事前に相談するようにしてくださいね。

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