介護保険の住宅改修で業者登録をする理由とは?業者登録のメリットデメリットを解説

目安時間:約 8分

住宅改修を含めた建築工事をするには、建築工事の許可を取得しておく必要があると思っていませんか?

 

建築工事の許可をもっていることにこしたこはないのですが、建築工事の総額が500万円以下の場合は、建築工事の許可を持っていなくても行なうことはできるのです。

 

介護保険の住宅改修工事は上限が20万円になっているので、建築工事の許可を持っていない業者でも工事をすることができるのですが、介護保険の住宅改修工事の施工業者は市区町村で業者登録をしている登録業者から選択しなければいけません。

 

市区町村が介護保険の住宅改修の施工業者をなぜ?登録させるのか、法律で決まっているのかなど、業者登録が気になったので、業者登録制度とは、登録制度のメリットデメリット、業者登録の方法などについて介護保険の住宅改修の業者登録について調べてみました。

 

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住宅改修の業者登録制度とは

老人ホームやサービス付き高齢者住宅、グループホームなど、介護サービスを提供する事業者は、設備や人員、運営などについて一定の基準をクリアした上で、県に事業者登録をする必要があり、事業者登録をすることで、介護サービスの質を保つことができています。

 

法律では決まっていませんが、介護保険の住宅改修を行う業者にも同様に、介護保険制度を理解して、ケアマネージャーや地域包括支援センターなどと連携して、利用者の身体状況に適した住宅改修を行い、サービスの質を保つ目的で業者登録を行っています。

 

業者登録をしていないと介護保険給付対象外になり、介護保険の住宅改修にかかった費用の支払いで、受領委任払いの利用ができないので、利用者の負担が大きくなってしまいます。

 

業者登録制度のメリットデメリット

介護サービスの一つでもある住宅改修のサービスの質を保つ目的で行われている業者登録ですが、メリットデメリットはあります。

 

登録業者にとっては、登録することで市区町村からお墨付きをもらえるので、ケアマネージャーや地域包括支援センター、利用者さんからの信頼と、受領委任払いで保険給付を受けることで、市区町村から銀行口座に振込があるので、金融機関からの信頼も同時に獲得できるので、登録業者にとっては大きなメリットがあります。

 

市区町村にもよりますが、登録業者にとってのデメリットは、登録の有効期間がおおむね1年で、更新制度がなく、毎年、登録を行う必要があるということです。

 

では、利用者さんにとって、業者登録制度のメリットデメリットはどんなものがあるのかについてみていきます。

 

利用者さんにとってのメリット

利用者さんにとってのメリットは、業者登録をしているので、安心して住宅改修工事を依頼できることと、受領委任払いが利用できることです。

 

介護保険の住宅改修の費用の支払い方法には、「償還払い」と「受領委任払い」の2通りがあります。

 

償還払いとは、利用者さんが工事費用を一旦全額払い、後から市区町村が工事費用から1~3割の自己負担分を差し引いた金額を利用者さんの銀行口座に振込むという支払方法になります。

 

受領委任払いとは、利用者さんは工事費用の1~3割の自己負担分を工事業者に支払い、残りの費用は後から工事業者が市区町村に申請した後に、工事業者の銀行口座に振込まれるという支払方法になります。

 

業者登録をしている工事業者に依頼すれば、受領委任払いが利用できるので、住宅改修工事の費用を全額用意する必要がなく、1割~3割の自己負担分のお金だけを用意すればいいので、お金の負担を軽くすることができます。

 

利用者さんにとってのデメリット

利用者さんにとってのデメリットは、業者登録しているということで、ある程度の安心と信頼があるので、工事業者に割高な工事まで進められることがあるということです。

 

受領委任払いを利用すれば、利用者さんの負担感が軽くなるので、割高な工事を進められても、「1割~3割の自己負担分だけを払えばすむから、、、いいか!」という気持ちになってしまい、業者の言いなりになって、結果、かえって費用の負担額が増えてしまうことがあるかもしれません。

 

また、介護認定を受けている高齢者の家を訪問して、受領委任払いの利用で負担感が軽くなることをいいことに、まだ必要が無いような改修工事を強引に進めてくることもあるかもしれません。

 

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業者登録の方法

業者登録の方法は、市区町村が行っている研修会に参加した後に、市区町村で配布されている申請書に必要事項を記入し、添付書類を添えて申請を行い、審査に合格すれば業者登録が完了します。

 

市区町村にもよりますが、業者登録の要件には、税金の滞納が無いこと、介護保険の住宅改修工事について十分な知識と経歴があること、研修会に参加していることなどがあり、添付書類には、納税証明書や介護保険住宅改修経歴書などがあります。

 

市区町村で行われている研修会は通常、1年に1回になるので、研修会に参加できなかったときは、翌年まで待つことになるので、市区町村の担当課に問合せをするようにしてください。

 

まとめ

ここまで、市区町村で介護保険の住宅改修を施工する業者の登録制度とは、登録制度のメリットデメリット、業者登録の方法など、業者登録についてみてきました。

 

まとめると、以下の6点になります。

 

・住宅改修の業者登録制度は、サービスの質を保つ目的で行っている

 

・業者が登録をするメリットは、利用者さんやケアマネージャーなどの信頼が得られる

 

・業者が登録をするデメリットは、更新制度がないので、毎年、登録が必要

 

・利用者さんにとって業者登録のメリットは、受領委任払いで費用の負担が軽減される

 

・利用者さんにとって業者登録のデメリットは、高額や不要な工事を進められやすくなる

 

・業者登録の方法は、研修会に参加してから、市区町村に申請をする

 

 

工事業者にとって、介護保険の住宅改修の業者登録は、利用者さんやケアマネージャー、金融機関などから信頼を得られるメリットがあり、利用者さんにとっては受領委任払いが利用できるというメリットがあります。

 

ただ、業者登録をしているということで、割高な工事や不要な工事を強引に進めてくる悪質な業者がいるかもしれないので、市区町村はそのような想定もしておく必要があり、登録業者に対して毎年の登録申請をチェックするだけではなく、高齢の利用者さんが被害に遭わないような対策も講じてほしいものです。

 

 

今回は「介護保険の住宅改修をする業者登録」について紹介してきましたが、
「介護保険を使った住宅改修を自分する場合」についても以下の記事にまとめてあるので参考にどうぞ。

 

⇒介護保険を使った住宅改修は自分でもできる?自分で行う時の流れと注意点とは

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