介護保険を使った住宅改修で対象外になる工事 対象と対象外の違いとは

目安時間:約 12分
平面図面とメジャー

介護保険を使って住宅改修工事ができることを知っている方は多くいると思いますが、

 

「介護保険を使った住宅改修で雨漏りの修理は対象外?」

 

「手すりをつけたい壁のクロスも張り替えは対象になるの?」

 

「外構で屋外の手すりは対象外になるの?」

 

など、介護保険を使った住宅改修についてこんな疑問があるのではないでしょうか。

 

そこで、介護保険を使った住宅改修工事は、どのようなところの工事が対象になって、どのような工事が対象外になるのか、工事の金額はいくらまでが対象になるのか、自己負担はいくら必要なのかなど、介護保険を使った住宅改修工事について気になったので調べてみました。

 

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介護保険を使った住宅改修とは

介護保険を使った住宅改修とは、要介護もしくは要支援の認定を受けていて、心身機能が低下し、日常生活をおくるのに支障がある利用者の住宅に手すりを取付けたり、段差を解消するなど、日常生活がおくりやすく、自立した生活がおくれるようにするための住宅改修にかかる費用を給付することです。

 

介護保険被保険者証を持っているけれど介護認定を受けていない人、介護認定を受けたけれど「自立」判定の結果が出た人は、介護保険を使った住宅改修工事の給付を受けることはできません。

 

住宅改修にかかる給付限度額

住宅改修にかかる給付限度額は、要支援、要介護の認定を受けていれば、状態の区分に関係なく一律20万円が給付され、複数回の工事に分けて分割して利用することもできます。

 

給付限度額の20万円は、ひとり生涯に限っての利用になるので、「今年20万円利用したから、来年もまた利用しよう」ということにはなりません。

 

ただし、要介護状態の区分が3段階重くなったとき、引越しをして居住地が変わった場合は、再度20万円までの給付限度額が設定されます。

 

住宅改修にかかる負担割合

住宅改修にかかる負担割合は、原則1割負担でしたが、2015(平成27)年8月と2018(平成30)年8月の介護保険制度の改正で、一定以上の所得のある方は2割、現役並み所得のある方は3割の負担割合になりました。

 

負担割合については、各市区町村で毎年7月に要支援、要介護の認定を受けた人に対して負担割合証が送られてくるので、そこに各自の負担割合が書かれているので確認することができます。

 

【負担割合例】

 

※1割負担(原則)

住宅改修費用(20万円)=給付金額(18万円) + 自己負担金額(2万円)

⇒ 2万円を負担することで、20万円の住宅改修工事ができることになります。

 

※2割負担(一定以上の所得のある人)

住宅改修費用(20万円)=給付金額(16万円) + 自己負担金額(4万円)

⇒ 4万円を負担することで、20万円の住宅改修工事ができることになります。

 

※3割負担(現役並み所得のある人)

住宅改修費用(20万円)=給付金額(14万円) + 自己負担金額(6万円)

⇒ 6万円を負担することで、20万円の住宅改修工事ができることになります。

 

また、介護保険料の未納がある場合は、給付額が減額されることがあり、1割負担の人であっても3割負担、4割負担になることがあるので、ご注意ください。

 

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介護保険が使える住宅改修

介護保険が使える住宅改修工事は、大きくわけて以下の6種類になります。

 

・手すりの取付け

・段差の解消

・滑りの防止及び移動の円滑化等のための床又は通路面の材料の変更

・引き戸等への扉の取替え

・洋式便器等への便器の取替え

・その他の住宅改修に付帯して必要となる住宅改修

 

これは厚生労働省が決めたものなので、少しわかりにくいと思うので、それぞれの工事について詳しくみていきます。

 

手すりの取付け

手すりの取付けについてですが、廊下やトイレ、浴室や玄関、玄関から前面道路までの通路で、自分で移動できるようにしたり、転ばないようにする目的で手すりを取付けます。

 

手すりの形状は、縦型や横型、L型や2段式など、身体状況などを考慮して、利用する人にあった形状で手すりを取付けをします。

 

段差の解消

高齢者の多くの人が住んでいる住宅は築30年、40年と古くに建てられた住宅がほとんどで、居室や廊下、トイレや浴室、玄関や玄関から前面道路までの通路など、さまざまな場所に段差があります。

 

これらの段差は、介護認定を受けた人にとっては移動するのに支障があり、段差につまづき転んでケガをしたり、骨折することにもなってしまうこともあります。

 

具体的な段差の解消工事は、敷居を撤去して床をフラットな状態にしたり、段差が解消できないときはスロープを設置して移動しやすくします。

 

また、浴室の床をかさ上げして、浴槽をまたぎやすくしたり、浴室への出入りをしやすくすることもあります。

 

滑りの防止及び移動の円滑化等のための床又は通路面の材料の変更

滑りの防止及び移動の円滑化等のための床又は通路面の材料の変更とは、居室や浴室などの床材、通路面のなどの舗装材を変更することで、滑りにくくしたり、移動しやすくするための工事になります。

 

具体的には、居室に敷かれた畳を撤去して、フローリングなどの木製床材に変更したり、浴室の床に貼られているタイルを撤去して、滑りにくい床材に変更したりします。

 

また、玄関から前面道路までの通路では、滑りにくいようにコンクリートで通路をを造ることもあります。

 

引き戸等への扉の取替え

開き戸は、扉を開けるとき、もしくは閉めるときに利用者が身体を反転させる必要があり、介護認定を受けた人にとってはこれらの動作も負担になります。

 

これらの負担を解消する目的で、引き戸等への扉の取替え工事があります。

 

具体的には、開き戸を外付けの引き戸に変更したり、折れ戸やアコーディオンカーテンに取り替えたり、扉自体を撤去してしまうこともあります。

 

他には、ドアノブをレバーハンドルに交換して開け閉めをしやすくしたり、戸車を交換して扉を開閉をスムーズにすることもあります。

 

また、引き戸へ扉の取替えにあわせて自動ドアにしたときは、扉を自動で開け閉めする動力部分の費用は含まれないので、注意してくださいね。

 

洋式便器等への便器の取替え

高齢者の多くの人が住んでいる住宅は築30年、40年と古くに建てられた住宅がほとんどで、トイレに和式の便器が使われていることが多くあります。

 

和式の便器は、利用するたびに立ち上がりの動作が必要になり、介護認定を受けた人にとってはこれらの動作が大きな負担になります。

 

洋式便器等への便器の取替え工事は、立ち上がり動作の負担を軽減することができて、同時にトイレ内の床の段差も解消することができるので、住宅改修工事の中でも多くの人が利用しています。

 

また、和式便器から洋式便器に取替えには、洗浄機能がついた暖房便座の取替えも含まれています。

 

和式便器から洋式便器に取替え以外にも、身体状況に合わせて洋式便器から洋式便器への取替え工事や便器の向きを変える工事などもあります。

 

その他の住宅改修に付帯して必要となる住宅改修

その他の住宅改修に付帯して必要となる住宅改修とは、住宅改修工事をする箇所に付帯する部分に合わせて必要な工事をすることです。

 

具体的には、手すりを取付ける箇所の壁の下地を補強する工事、浴室の床をかさ上げやトイレの便器取替えに伴う給排水設備の配管を移設する工事などがあります。

 

他には、床材を変更するための床下地の補強や床材を支えている根太材の補強、通路面の路盤の整備、扉の取替えに伴う壁や柱の改修などもあります。

 

介護保険が使えない住宅改修

ここまで介護保険が使える住宅改修工事についてみてきましたが、手すりの取付や段差解消、扉の取替えや便器の取替え工事とそれに付帯する工事以外では、介護保険を使って住宅改修工事をすることができません。

 

これは、介護保険を使った住宅改修とはの中にもあるように、要介護もしくは要支援の認定を受けている人の住宅を改修して、日常生活がおくりやすく、自立した生活がおくれるようにするという大きな目的のためなのです。

 

例えば、「雨漏り」、「壁紙(クロス)の張り替え」、「エアコン取り付け」、「浅型浴槽への取替えにあわせて、給湯器を取替え」、「建てつけが悪く、老朽化している建具の取替え」、「元々扉がない場所に扉を新設する」などの工事はこれらの目的から外れているので、介護保険が使える住宅改修工事の対象外になります。

 

他には、福祉用具の貸与や購入にあたる手すり、浴室の床や浴槽内に置くすのこは入浴補助用具になり、福祉用具の購入になるので、介護保険が使える住宅改修工事の対象外になります。

 

まとめ

ここまで、介護保険を使った住宅改修工事の限度額や負担割合、対象になる工事や対象外になる工事についてみてきました。

 

まとめると、以下の5点になります。

 

住宅改修にかかる給付限度額は一律20万円で、ひとり生涯に限って利用できる

 

介護区分が3段階重くなったとき、引越しをした場合に限り給付限度額が再設定される

 

負担割合は1割から3割で、2万円から6万円の自己負担で利用できる

 

介護保険が使える住宅改修工事は6種類

 

福祉用具の購入や貸与にあたるもの、工事の目的から外れた工事は対象外になる

 

介護保険を使った住宅改修にかかる給付限度額は一律20万円で、ひとり生涯に限って利用できるのですが、夫婦二人で住んでいて二人とも介護認定を受けているのであれば、同時に利用することも可能になり、40万円までの住宅改修工事をすることができます。

 

介護認定を受けた人にとっては、住宅にあるちょっとの段差でも負担になるので、住み慣れた住宅で少しでも長く暮らしていけるように、介護保険を使って住宅改修工事をすることをおすすめします。

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