入院中に介護保険の住宅改修はできる?申請の流れと悪化したときの注意点

目安時間:約 8分

介護保険を使えば20万円まで住宅改修ができることを知っている人は多いと思いますが、入院中にも住宅改修ができるかどうかを知っている人は多くいません。

 

介護保険での住宅改修は、利用者が在宅している状態で行うことが基本になります。

 

しかし、利用者の中には病院からの退院や老人ホームからの退所などにより、自宅で生活をする前に住宅改修をしておく必要がある場合があります。

 

そのようなときにこそ、介護保険を使って負担を少なくして住宅改修を行いたいですよね。

 

でも、そもそも入院中に住宅改修ができるのかどうか、できる場合はどのような流れになるのか、申請で注意しないといけないことがあるのか、もし、退院前に病状が悪化したらどうなるのかなど、入院中に住宅改修をすることについて調べてみました。

 

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入院中に住宅改修はできる?

入院中に介護保険を使って住宅改修ができるかどうかですが・・・、できます!

 

住宅改修は利用者が在宅している状態で行うこととされていて、本来なら退院後に住宅改修を行うことが基本になります。

 

ただ、退院前に住宅改修をして、生活の準備をしたいということもあるので、条件付にはなりますが、入院中に住宅改修を行うことができるのです。

 

その条件は、以下の3点になります。

 

必ず退院する予定があること

 

万が一、退院できなくなったときは、住宅改修費の支給ができない旨の了解を得ること

 

工事の完了報告書の提出は退院して家に戻ってからすること

 

ですので、住宅改修に必要な理由書には、「退院予定があること」、「退院する前に住宅改修を行わなければならない緊急性をアピールする理由」を必ず書いてもらうようにしてください。

 

入院中の申請の流れと注意点

入院中の申請の流れは以下のようになります。

 

①ケアマネージャーなどに相談する
担当のケアマネージャーが決まっていない場合は、地域包括支援センターなどに相談するようにしてください。

 

 

②ケアマネージャー、施工業者、利用者の三者による打合せ
退院後に戻る住宅で、利用者本人の動作を確認しながら、どのような改修工事が必要なのかを相談して、見積りを行います。
※利用者は、病院で外出許可をとって一時帰宅するようにしてください。

 

 

③保険者である市区町村に住宅改修の「事前申請」を行う

 

 

④保険者が提出された申請の可否の確認を行う
※可否については、後日、利用者の家に郵送で通知されます。

 

 

⑤許可がおりたら、工事を行う
工事完成後に利用者は工事業者に工事代金を支払います。

 

 

⑥保険者に住宅改修費の「支給申請」を行う
※支給申請は利用者が退院したあとに行ってください。
 支給申請の時効は、支払い後(領収日)2年以内です

 

 

⑦保険者が支給申請の可否の確認を行う

※可否については、後日、利用者の住宅に郵送で通知され、可の場合は、後日、指定口座に支給金が振り込まれます。

 

入院中の住宅改修についての注意点

入院中の申請の流れについてみてきましたが、入院中に住宅改修をするときには、気をつけたい注意点が4つあるので、それぞれについてみていきましょう。

 

病院から一時帰宅をして、利用者の動作確認を必ず行う

※入院中だからといって、利用者本人の動作を確認せずに工事を行うと、手すりの取付け高さが合わない、立座りの動作がしづらいなど、トラブルの原因になる可能性があります。

 

住宅改修は、退院日が近づいてから工事を行うようにする

 

住宅改修費の支払いは償還払いになり、受領委任払いの選択はできない

※支払方法についてはコチラを参考にしてください。

 

万が一、病状が悪化して、退院できなくなったときは、全額自己負担になる

 

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入院中に病状が悪化した場合

入院中の申請で気をつけたい注意点についてみてきましたが、一番注意したいことが、入院中に病状が悪化した場合です。

 

通常行う住宅改修は在宅が基本で、利用者が工事期間の途中で死亡した場合は、死亡したときに完了している部分までの経費は支給対象になります。

 

ただ、入院中に行う住宅改修には、上記の対象にはならないので、退院できなくなった、死亡してしまったという場合には、支給申請ができないので、全額自己負担になってしまいます。

 

まとめ

ここまで、入院中に住宅改修ができるのかどうか、できる場合はどのような流れになるのか、申請で注意しないといけないことがあるのか、もし、退院前に病状が悪化したらどうなるのかなど、入院中に住宅改修をすることについてみてきました。

 

まとめると、以下の3点になります。

 

条件付きにはなるが、入院中でも住宅改修はできる

 

入院中に行う住宅改修の注意点は3つ
 →病院から一時帰宅をして、利用者の動作確認を必ず行う
 →住宅改修は、退院日が近づいてから工事を行うようにする
 →住宅改修費の支払いは償還払いになり、受領委任払いの選択はできない

 

退院できなくなったときは、全額自己負担になる

 

条件付きにはなりますが、入院中に介護保険の住宅改修を行うことはできます。

 

ただ、住宅改修費の支給申請は、利用者が退院して、改修工事が行われた住宅に戻ってからになるので、金銭的な負担が大きくなるのと、万が一、退院できなくなったときには、支給申請ができなくなり、住宅改修費を全額負担することになってしまいます。

 

入院中に住宅改修を行う場合は、このようなリスクがあることを理解した上、ケアマネージャー、地域包括支援センターなどとよく相談をしながら、進めるようにしてくださいね。

 

 

今回は「入院中に介護保険の住宅改修はできるのか」について紹介してきましたが、
「厚生労働省の回答をまとめたQ&A」についても以下の記事にまとめてあるので参考にどうぞ。

 

⇒介護保険を使った住宅改修 できる?できない? 厚生労働省の回答をまとめた2018年Q&A

 

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