
高齢者が住んでいる多くの住宅は、今から30年、40年前に建てられた住宅で、トイレや廊下にある敷居の段差、和室や居室の床の段差、浴室や玄関の段差など、さまざまなところに段差はあります。
家のさまざまなところにある段差ですが、若いときは少しも気にならなかったでしょうが、歳を重ねていくごとに身体能力は少しづつ衰えていき、気にならなかった段差が負担に感じるようになってしまいます。
「転んだらどうしよう・・・」、「転倒して、またケガをするかもしれない・・・」など、歩くことに対して不安になってしまい、外出はもちろん、家の中でも動かないようになってしまうことで、身体能力が徐々に落ちてくるという悪循環にもつながってしまいます。
そこで今回は、家の中で転倒やつまずきやすい敷居の段差について、つまずきやすい原因、敷居の段差を解消する工事の手順、工事にかかる時間と費用について、実例を交えながらみていきます。
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敷居でつまずきやすい原因とは
敷居でつまずきやすい原因は、視覚、バランス、歩行、筋力や骨格などの変化により、つまずきやすくなると考えられています。
人は歳を重ねるごとに身体能力は少しづつ衰えていくのですが、特に視力が低下してくると、光に対する目の調整能力も低下してしまい、明るさが違う場所へ移動するときには、その変化に対して順応するのに時間がかかってしまいます。
夜間にトイレに行くときなどは、暗くてよく見えないということの他に、明るさの違いに順応するのに時間がかかってしまい、転倒を起こしやすくなります。
また、視力の低下、目の調整能力の低下だけではなく、情報を分析する認知能力の低下も影響しています。
認知能力が低下してくると、部屋と部屋の間にある敷居、床に敷いてあるカーペットなどが、浮いたり沈んだりして見えることがり、周囲と区別がしづらくなり、つまずきやすくなります。
敷居の段差を解消する工事の手順
敷居の段差を解消する工事手順は、以下の手順になります。
①取りついている扉などの建具を外します
↓
②敷居を取り外します
※通常は敷居の左右まで床材が張られているのですが、
まれに床材の上に敷居がのっていて、簡単に取り外せる場合があります。
↓
③敷居があった場所に木材を使って下地を入れます
↓
④既製品で販売されている樹脂製の敷居カバーを取付けて、
バリアフリー化します
↓
⑤敷居がなくなったことでできた、扉の下に木材を取付けます
※扉下に取り付けた木材は扉の色に合わせて塗装しています
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敷居の段差を解消する工事かかる時間と費用
敷居の段差を解消する工事にかかる時間は、建てられた状況や敷居に長さによって違いはありますが、1ヶ所でおおよそ2時間くらいはかかります。
敷居の段差を解消する工事にかかる費用は、敷居の長さによって材料費に違いがありますが、敷居の長さが90cm以内で1ヶ所辺りおおよそ25,000円から30,000円くらいになります。
費用の内訳は以下のようになります。
・大工さんの手間代
・撤去した敷居など現場で発生したゴミの処分費用
・新しく取付けた敷居材
・釘やネジ、接着剤などの消耗材などの費用がかかります。
大工さんの手間代については、地域などによって違いがあるので、参考程度と考えていただき、実際に工事をする場合は必ず、見積りを取るようにしてくださいね。
まとめ
ここまで、家の中で転倒やつまずきやすい敷居の段差について、つまずきやすい原因、敷居の段差を解消する工事の手順、工事にかかる時間と費用について、実例を交えながらみてきました。
工事をさせていただいたお宅は、敷居の撤去が2ヶ所、手すりが4本、浴室の扉の変更(開き戸から折れ戸)もあって、9時から16時くらいと、ほぼ1日かかりましたが、家の中を安全に移動できるようになったとお客様にも喜んでいただきました。
住宅改修で敷居の段差を解消する工事についてまとめると、以下の3点になります。
・高齢になると視力や目の調整能力の低下、 認知能力や筋力の低下によりつまづきやすくなる
・敷居段差を解消する工事は、1ヶ所でおおよそ2時間くらいかかる
・敷居の長さが90cm以内だと、1ヶ所おおよそ25,000円から30,000円くらいかかる
敷居を撤去してバリアフリー化することで、安心して歩行することができるようになります。
敷居でつまずいたり、転んだりしてケガをする前に、敷居の撤去することをおすすめします。
今回は「敷居を撤去する工事の手順と費用」について紹介してきましたが、
「廊下の住宅改修」についても以下の記事にまとめてあるので参考にどうぞ。
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