玄関の框が斜めのときに段差を解消してバリアフリーにする方法とは【施工画像あり】

目安時間:約 9分
玄関框斜め

家にはさまざまな段差がありますが、居室やトイレ、浴室や屋外のなどさまざまなところに段差がありますが、その中でも玄関の段差は生活する人にとって大きな障害の一つになります。

 

玄関の段差が原因で、外出する回数が減ったり、中にはまったく外出しなくなってしまう人もいます。

 

外出する回数が減っていくと、人と触れ合う機会が減るだけでなく、骨や筋力が衰え身体能力も徐々に落ちてしまいます。

 

また、過去に玄関で転倒してケガをしてしまった人には、玄関からの出入りがトラウマになってしまった人もいます。

 

しかし、玄関の段差を解消することで、不安がなくなり、外出したくなるなど、前向きに生活しようとする気持ちも芽生える可能性もあります。

 

この記事では、玄関の段差でも玄関框が斜めになっている場合の段差解消について、実際の工事例を交えながらみていきます。

 

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玄関の框とは

玄関框斜め

玄関の框とは、玄関から玄関ホールに上がるところにある床に水平方向に取付けた横木のことです。

 

この框は玄関を開けると正面に見えてくるので、玄関の顔のような役割があります。

 

また、玄関の框は、玄関から1階の床に上がるという意味から、上り框(あがりがまち/あがりかまち・上框)とも言われています。

 

玄関の框を斜めにするメリットデメリット

基本的には玄関の框は、玄関扉に対して平行に取付けられるのですが、中には玄関扉に対して斜めに框を取付けていることがあります。

 

玄関の框を斜めにするメリットデメリットはというと、

 

【メリット】

 

・狭い玄関に奥行きを出すことができるので広く見せれる

 

・框を斜めにすることで個性がでて、オシャレになる

 

【デメリット】

 

・玄関土間に貼るタイルを斜めにカットするので割れやすくなる

 

・車いす用のスロープの設置が難しくなる

 

になります。

 

玄関の框を斜めにすると、奥行きが出せて広く見せられ、縦横のライン以外に斜めのラインが含まれので、オシャレな印象を出すこともできます。

 

しかし、斜めの玄関框を介護という視点で考えると・・・

 

どうなるのかみていきます。

 

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玄関框の斜めを介護の視点で考えると

玄関框が斜めであってもまっすぐであっても、玄関土間と床には必ず段差があります。

 

玄関の段差は、家の中にある段差のうち、浴槽の段差と変わらないくらい大きな段差になり、そこで暮らす高齢者にとっては不安な場所の一つでもあります。

 

この段差を解消するためにどのような方法があるのかみていきます。

 

玄関の框がまっすぐな場合

玄関框斜め

玄関の段差を解消する方法として、多く用いられる方法は、踏み台と手すりの組合せになります。

 

玄関の框がまっすぐな場合は、框に対して直角に踏み台を取付け、その横に手すりを取付けるので、工事の施工も比較的簡単にできます。

 

画像の事例は、踏み台を玄関の框にビスで固定して、横の手すりは片側は框にビスで固定して、反対側は玄関土間にビスで固定していて、独立した手すりになっています。

 

玄関の框が斜めの場合

玄関の框が斜めの場合でも、段差を解消するには踏み台と手すりの組合せになりますが、踏み台の設置がやや難しくなります。

 

玄関の框が斜めになっているので、框に直交して踏み台を取付けることで玄関が狭くなってしまったり、逆に玄関を広くするために踏み台を壁に並行して取付けるとすきまができてしまったりします。

 

踏み台の設置がやや難しい、斜めになった玄関框の現場は数少ないのですが、斜めになった玄関框に合わせて踏み台を造った事例を紹介しますね。

 

 

 

工事は、大工さんに現場で加工しながらの施工になりましたが、工事期間は1日で出来上がりました。

 

斜めの玄関框にに踏み台を造るのにかかった費用は以下になります。

 

・大工工事 踏台造作部材費 下地材・フロア材他含む 1 式 22,000円

 

・大工工事 踏台造作          1 式 28,000円

 

・諸経費 残材処分・消耗品他         1 式 17,000円

 

※大工さんの費用など、地域によって差はありますので参考程度で考えてください。

 

玄関の框が斜めの場合の車いす

杖や介助で玄関の上り下りができる場合は、踏み台と手すりで段差を解消することができますが、車いすを利用するとなると工事の難易度は少しあがります。

 

玄関の框がまっすぐな場合は、框に対して直角にスロープをかけることができますが、玄関の框が斜めの場合は直接框にスロープをかけることができません。

 

玄関框斜め

画像のような三角形の台を作って、玄関の框に取付けて、玄関と設置した台が平行になるようにして、そこにスロープをかけると車いすが利用できるようになります。

 

三角形の台の下は、靴が収納できるようにすると、スペースを有効に活用することができます。

 

しかし、玄関の奥行きが狭い場合は、三角形の台を作ってスロープをかけることができないことがあります。

 

そのような場合は、玄関から出入りをするのではなく、玄関の横にある掃き出し窓から出入りできるように段差解消リフトを設置するという方法もあります。

 

まとめ

ここまで、玄関の框が斜めになっている場合の段差解消方法についてみてきました。

 

まとめると、以下の8点になります。

 

玄関の框は玄関から玄関ホールに上がるところにある水平方向に取付けた横木

 

玄関の框を斜めにすると、奥行きが出せて広く見せられる

 

框を斜めにすることで個性がでて、オシャレになる

 

框が斜めだと玄関土間に貼るタイルを斜めにカットするので割れやすくなる

 

框が斜めだと車いす用のスロープの設置が難しくなる

 

玄関の段差を解消する方法は踏み台と手すりの組合せ

 

玄関の框が斜めの場合は三角形の台を作ってスロープを設置する

 

三角形の台が設置できない場合は掃き出し窓を利用して出入りする

 

住んでいる人の身体状況にもよりますが、手すりをつける、踏み台を設置する、スロープを設置することで玄関の段差が解消できます。

 

段差が解消されることで、負担なく玄関の出入りができるようになり、外出をする意欲が持てるようになる人も少なくありません。

 

また、玄関周辺の廊下に家具や荷物が置いてあると、通路が狭くなって歩きづらくなるうえ、転倒する危険もありますので、荷物の片付けや移動をして通路が狭くならないようにしましょう。

 

 

今回は「玄関の框が斜めのときの段差解消」について紹介してきましたが、
「住宅改修で玄関にスロープを設置する工事」についても以下の記事にまとめてあるので参考にどうぞ。

 

⇒介護保険を使った住宅改修で玄関にスロープを設置する費用と手順 設置できないときはどうするの?

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カテゴリ:段差解消  [コメント:0]

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