トイレを和式から洋式 補助金を使った介護リフォーム事例【U様邸】

目安時間:約 8分

未だ4割以上の小学校に設置されている和式トイレですが、住宅のトイレは洋式化が進んでいて、和式トイレの割合はかなり少なくなっています。

 

とはいえ、高齢者が住んでいる住宅には、まだまだ和式トイレが設置されていることが少なくありません。

 

 

今回は、介護保険の補助金を使った住宅改修でトイレを和式から洋式へ介護リフォームしたU様邸の事例を紹介していきます。

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和式トイレの現状と問題点

和式トイレには、作りがシンプルなので掃除が楽、肌が便器に直接触れないというメリットはありますが、悪臭が広がりやすい、トイレットペーパーが流れにくいというデメリットがあります。

 

和式トイレの最大の問題点は、肉体的な負担が大きいということです。

 

和式トイレは自分の足で身体をしっかり支える必要があるので、高齢者や介護が必要な人にとって、肉体的な負担が大きく、場合によっては転倒するリスクもあります。

 

人によって違いはありますが、高齢になると1日の尿回数が増える傾向があり、ある調査によると、1日の尿回数は少ない人で4回、多い人で24回で、平均すると8回になります。

 

また、夜間、就寝中の尿回数は、少ない人で0回、多い人で5回になっていて、家が和式トイレの場合は、肉体的な負担が大きくなっています。

 

和式トイレの介護リフォーム解決ポイント

和式トイレに限らず、トイレの介護リフォーム解決ポイントは、移動、立位保持、段差解消、立座り、座位保持、排泄になります。

 

和式トイレの場合は、特に肉体的負担を減らすため、立座りの負担を解決することが重要になります。

 

解決方法は腰掛け便器を使って簡易的に和式便器から洋式便器に変える方法と、介護リフォームでキチンと洋式便器に変える工事をする方法の2つになります。

 

それぞれの解決ポイントについてみていきます。

 

腰掛け便器

腰掛け便器を和式便器に載せることで、簡易的に和式便器を洋式便器に変えることができます。

 

「簡易 洋式トイレ」と検索すると、さまざまな形をした腰掛け便器があり、かかる費用は3,000円から40,000円くらいが相場になります。

 

腰掛け便器はかかる費用が比較的安く、置くだけで設置できるので、手軽に和式便器を洋式便器に変えることができるメリットがあります。

 

ただ、置くだけなので、安定性に欠け、立座りに最適な高さより少し低い高さになるというデメリットはあります。

 

また、腰掛け便器は和式便器を洋式便器に変えるだけで、トイレにある床や出入り口の段差などは改善されないので、高齢者や介護が必要な人には、不安な部分でもあります。

 

介護リフォーム

介護リフォームで和式便器を洋式便器に変えるには、便器を含む床を壊して、新しく床を作り直して、洋式便器を取り付ける工事になります。

 

現場の状況にもよりますが、工事にかかる期間は、朝9時頃から始めて、夕方6時くらいに終わる、1日工事になります。

 

設置する便器、現場の状況により、かかる費用は変わりますが、おおよそ25万円から35万円くらいになります。

 

介護保険から補助金は20万円が上限になるので、20万円を超えた部分については、利用者の負担になります。

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トイレの介護リフォーム工事の流れ

1日で出来るトイレ介護リフーム工事の流れは、大まかに和式トイレの解体、給排水配管、新設床の組立て、洋式便器の設置という流れになります。

 

トイレの設置状況にもよりますが、大まかなタイムスケジュールは、和式トイレの解体で2時間、給排水配管の設置で1時間、新設床の組立てに4時間、洋式便器の設置に2時間になります。

 

ここからはそれぞれの工程について、実際の写真を交えながらみていきますね。

 

和式トイレの解体

 

 

まず、和式トイレの床を解体していくのですが、床の下地によって解体にかかる時間と搬出される残材の量は変わってきます。

 

セメントや砂、砕石などで下地をしている場合は、解体に時間がかかり、搬出される残材の量は増えるのですが、下地が木の場合は、解体時間は短く、搬出される残材の量も少なくなります。

 

 

今回は、下地がセメントだったので、解体に時間がかかり、搬出される残材の量が増えるパターンです。。。

 

 

給排水配管の新設

和式トイレの解体が終わると、新しく取付ける洋式便器の給排水配管の設置になります。

 

 

新設床の組立て

給排水配管の設置が終わると、次は新しい床を組立てていきます。

 

この時には、床は段差を解消してバリアフリーになるように組み立てていき、和式便器があった壁に段差の跡が残っているところは、化粧ベニヤを張って、最後にクッションフロアを張って仕上げていきます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

洋式便器の設置

新しい床の設置が完了すると、新しい洋式便器と手すりを取付けて工事が完了します。

 

 

ここまで、トイレを和式から洋式へ介護リフォームしたU様邸の事例を交えながらトイレの介護リフォームについてみてきました。

 

高齢の人は、長年住み続けている住宅に多少の不満があっても現状に満足している傾向があります。

 

しかし、身体能力が低下してきて、介護が必要になってくると、そうも言ってはいられなくなります。

 

人によってトイレに行く回数に違いはありますが、段差の解消や手すりの設置など、安心して一人でトイレが利用できるようにトイレの環境を改善することはとても大切なことになります。

 

 

今回は「トイレを和式から洋式への介護リフォーム」について紹介してきましたが、
「玄関の段差を解消する介護リフォーム」についても以下の記事にまとめてあるので参考にどうぞ。

 

⇒玄関の框が斜めのときに段差を解消してバリアフリーにする方法とは【施工画像あり】

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