手すりの高さに基準はあるの?高齢者が喜ぶ高さに手すりを取付ける方法とは

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介護保険を使った住宅改修でもっとも多いのが、手すりの取り付け工事になります。

 

取付けた手すりは、高さが合わない、位置が気に入らないからといって、簡単に高さや位置を変えることは容易なことではありません。

 

壁に取付けた手すりを外して高さや位置を変えようとすると、それまで固定していたネジの跡が見えたり、ずらした位置ではネジが効かない、下地が無いなど、外観が悪くなったり、手すり自体が取付けられないということにもなります。

 

ですので、手すりを取付けるときには、取付ける位置や高さは何度も確認してから取付ける必要があります。

 

そこで、今回は、手すりの高さや位置の基準について、取付ける場所ごとに具体的な寸法を挙げながらみていきます。

 

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家につける手すりの高さ

家に取付ける手すりの高さの基準は、70㎝~90㎝になります。

 

この基準の高さは、住宅性能表示やフラット35Sなどの制度の中で高齢者への配慮という部分で決められています。

 

住宅性能表示とは、住宅の品質確保の促進等に関する法律に基づいた制度のことで、フラット35Sとは、一定の基準(省エネルギー性、耐震性など)をクリアした住宅を取得するときに、借入金利を一定期間引き下げる制度のことです。

 

具体的には、階段、トイレ、浴室、玄関、脱衣室に手すりを取付けるように求められていて、それぞれの場所でその内容は決められています。

 

・階  段:踏面の先端から高さが70㎝から90㎝の位置に設けられていること

 

・トイレ:立座りのためのものが設けられていること

 

・浴  室:浴槽の出入りのためのものが設けられていること

 

・玄  関:上がり框部の昇降及び靴の着脱のためのものが設けられていること

 

・脱衣室:衣服の着脱のためのものが設けられていること

 

このように、取付ける手すりは、それぞれの動作に応じて必要なるのですが、利用者さんの身体状況に応じて、I型やL型、T型や逆L型など、手すりの形についても考える必要があります。

 

手すりを取付ける高さに基準があるように、通路の幅にも基準があります。

通路の有効な幅は78cm以上(柱があるところは75cm以上

出入り口の幅は、有効開口75cm以上(浴室の出入り口は65cm以上

 

次からは、場所ごとに手すりの高さと位置についてみていきますが、こちらで記載されている寸法はあくまで基準ですので、実際に手すりを取付けるときは、利用者さんが使いやすい高さに取付けるようにしてください。

 

階段や廊下の手すりの高さ

階段や廊下の手すりは、距離が長くなり横向きの手すりになるのですが、その高さは、床から手すりの上側で75cmから80cm程度が基準の高さになります。

 

小さなお子様や車いすの方がいる場合は、床から手すりの上側で60cmから65cmの高さが基準になります。

 

ただし、距離が長くなる横向きの手すりが途中で途切れるときは、階段では40cm以内、廊下では90cm以内にするようにしてください。

 

また、例外的に手すりを握らずに肘から先の前腕を乗せて移動する場合は、床から肘を曲げた高さ(100cm程度)が基準になります。

 

階段に手すりを取付けるときに注意したのは、降りを優先して、利き手側に手すりを取付けることです。

 

住宅事情や階段の状況にもよりますが、階段に手すりを取付けるときは、この注意点を思い出すようにしてください。

 

階段に手すりは、降りを優先して、利き手側に手すりを取付ける

 

トイレの手すりの高さ

トイレでは立座りのためや腰掛け姿勢を保つため、横移動するために、縦手すりや横手すり、またはL型手すりが必要になります。

 

立座りのための縦手すりの取付け位置は、便座の先端から20cmから30cm前方で、長さは80cm程度、腰掛け姿勢を保つための横手すりは、便座より22cmから25cm上方になり、長さは60cm程度が基準になります。

 

L型の手すりは、縦手すりと横手すりを組み合わせた形になります。

 

また、トイレの手すりでは、固定式ではなく、水平方向または垂直方向に動く可動式の手すりが使われることもあります。

 

トイレの手すりで注意してほしいのは、立ち上がるときに頭を壁にぶつけないかということです。 

 

前面壁までの距離が近いと頭を壁にぶつける恐れがあるので、便座から前面壁までの距離を十分確保するようにしてください。

 

便座から前面壁までの距離を十分確保して、立ち上がるときに頭を壁にぶつけないようにする

 

浴室の手すりの高さ

浴室は濡れていて足元が悪いので滑りやすくなっています。

洗い場での立座りや浴槽内での立座り、浴槽と洗い場との移動、浴槽のまたぎなどに手すりが必要になります。

 

浴槽と洗い場との移動、浴槽のまたぎに使う縦手すりは、浴槽縁の真上で、床面から70cm程度で長さは60cm以上が基準になります。

 

浴槽内の立座りに使う手すりは、浴槽天より10cmから15cm上方で、長さは60cmから80cm程度とし、取付ける位置は浴槽の長辺方向の長さの半分の位置から左右対象にするのが基準になります。

 

また、浴室の手すりで注意してほしいのは、浴室の壁と手すりを同じ色にしないことです。

 

高齢者の中には、白内障や視力に問題がある人が少なくありません。

 

浴室の壁と手すりの色が同じだと、湯気などで判別しにくくなり、転倒の恐れがあります。

 

後、浴槽付近の横手すりが、浴槽ふた(巻きふた)に干渉してしまい、巻きふたが使えないことがあるので、注意が必要になります。

 

浴室の壁と手すりを同じ色にしない

浴槽付近の横手すりと浴槽ふた(巻きふた)の干渉

 

玄関の手すりの高さ

玄関で必要になる手すりは、靴の脱ぎ履きや玄関土間とホールの段差を昇り降りするための縦手すり、玄関土間を水平移動するための横手すりが必要になります。

 

また、縦手すり、横手すりともに、状況に応じてL型手すりにすることで、より安全かつ快適に利用することができることもあります。

 

縦手すりの取付位置は上り框の段差部分の真上の位置で、取付ける高さは、手すりの下端で玄関土間から75cmから80cmで、上端は利用者さんの肩より10cm上になります。

 

横手すりは、玄関土間、玄関ホールの床より75cmから80cmの高さが基準になります。

 

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脱衣室の手すりの高さ

脱衣室に必要な手すりは、脱衣室と浴室を出入りするための手すりと衣服の着脱するのため手すりが必要になります。

 

脱衣室と浴室を出入りするための縦手すりは、床面から70cm程度で長さは60cmから80cmくらいが基準になります。

 

衣服を着脱するための手すりと脱衣室と浴室を出入りするための縦手すりは、状況により兼用することができます。

 

ワンポイントアドバイス

ご主人さんと奥さんでは身長が違えば、手の大きさにも違いがあり、また、少し腰が曲がっているなど、それぞれの身体状況にも違いがあります。

 

ここでお伝えした手すりの高さは、あくまで一般的な基準の高さです。

 

実際に手すりをつける場合は、短い手すりのサンプルや杖を使って利用者さんが最も使いやすい高さを確認してから手すりをつけるようにしてください。

 

短い手すりサンプルを作って、利用者さんが使いやすい位置と高さを決める

こ利用者さんが体調不良などにより、動きにくいときは杖の高さを参考に決める

 

ここまで、手すりの高さや位置の基準について、取付ける場所ごとに具体的な寸法を挙げながら、手すりを取付ける高さや位置についてみてきました。

 

手すりの高さや位置の基準はありますが、利用者さんの身体状況に合わせて手すりを取付けることが大切です。

 

ワンポイントアドバイスでもお伝えしたように、短い手すりのサンプルや杖を使うなどをして、利用者さんに負担なく、安心、安全に利用できるように手すりを取付けるようにしてください。

 

 

今回は「手すりの高さに基準」について紹介してきましたが、
「手すりの種類と選びかた」についても以下の記事にまとめてあるので参考にどうぞ。

 

⇒住宅改修で取付ける手すりは何がいい?手すりの種類と選びかたとは

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カテゴリ:手すり  [コメント:0]

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