親の介護をしない兄弟!不仲と喧嘩を避ける対策とは?

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ひと昔前までは、親の介護を長男もしくは長男夫婦でするのが当たり前で、それを他の人に任せるのは悪いこと、親不孝だという風潮がありました。

 

しかし、2000(平成12)年に施行された介護保険制度は、介護が必要になった高齢者を社会全体で支えていこうという趣旨ではじまりました。

 

とはいえ、「親の介護を他人に任せると世間から何を言われるか・・・」、「身内は自分しかいないから」という理由からひとりで親の介護をしている人は少なくありません。

 

ひとりで親の介護をするには限界があり、無理をすると仕事や家庭に悪影響をおよぼしてしまいます。

 

親の介護をひとりでするのではなく、子どもや親戚、友人や知人、介護サービスなどの力を使って親の介護をするべきです。

 

親を介護するのは、配偶者や子ども、孫などの近親者がすることがほとんどですが、家庭によっては介護をするべき立場の子どもたちが親の介護を拒むことがあります。

 

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兄弟が親の介護しない理由とは?

介護される親にとって、食事や入浴補助、下の世話を赤の他人にしてもらうのは、とても恥かしくて、苦痛になると考えている親御さんも多くいて、配偶者や子ども、孫などの近親者にしてもらいたいと思っています。

 

実際に介護をしている人の続柄について内閣府が公表している調査データがあります。

 

  引用元URL:

http://www8.cao.go.jp/kourei/whitepaper/w-2017/html/zenbun/s1_2_3.html

 

調査データによると、要介護者からみた主たる介護者の続柄は6割以上が同居している人で、その内訳は配偶者が26.2%、子どもが21.8%、子どもの配偶者が11.2%となっています。

 

このように親の介護をしている主な介護者は、配偶者や子どもがその役割を担っています。

 

しかし、親の介護をするべき立場の兄弟姉妹の中には親の介護をしたくないと考えている人は少なくありません。

 

どうして、自分の親なのに介護をしたくないのか?

 

兄弟姉妹が親の介護をしない理由はというと、

 

・実家に住んでいない、同居していないから
・実家から遠く離れたところに住んでいるから
・仕事が忙しくて介護まで手がまわらないから
・親とは相性が合わないから
・経済的に苦しくて自分のことだけで精一杯


とさまざまありますが、民法877条では「直系血族及び兄弟姉妹は互いに扶養をする義務がある」と規定されています。

 

ここでいう直系血族とは、自分の父や母、おじいちゃんやおばあちゃん、自分の子どもや孫などの3親等内の親族にあたり、この範囲内の近親者が高齢や病気、失業などにより経済的に自立できない場合は、扶養する義務があります。

 

このように民法では子どもが親の面倒をみるのは法律的にも規定されています。

 

とはいえ、親の扶養義務は、「親に十分な生活能力がない」、「親に経済力がない」といった場合に限られていて、自分の生活を壊してまでもする必要はありません。

 

このように民法877条には親の扶養義務が規定されてはいますが、強制力はなく努力義務的なようなものなので、何もしなかったからといって刑罰を受けることもありません。

 

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親の介護を兄弟で負担する方法

 

親の介護をすることになったときには、まず家族会議をすることが大切です。

 

・親に対してどのような介護が必要なのか?
・親はどこまで自分のことができるのか?
・どんな持病をもっていて、どのような薬を飲んでいるのか?
・認知度はどのくらいの段階なのか?
・お金の管理はできているのか?
・親がどのような介護を望んでいるのか?

 

など、これまでは知ることのなかった親のことについて、現状を把握して情報を家族で共有しましょう。

 

親の情報を共有してから、親の介護を兄弟でどのように負担していくのかを話し合えば、介護の分担をスムーズに進めていくことができます。

 

介護の分担

入浴補助や排泄の補助、食事の世話や洗濯、掃除や買い物などから、病院の送迎や話し相手など、介護とは直接関係ないことでも介護の分担につながります。

 

兄弟姉妹、それぞれの生活や仕事の状況を考えながら、自分にはどのようなことができるのかを話し合い、できることからはじめましょう。

 

費用の分担

遠距離に住んでいる、仕事が忙しすぎてなかなか親元を訪ねられないということもあり、そのような場合は、親元に近い兄弟が介護にあたることになります。

 

そんなときは、費用の分担を考えてみてください。

 

介護には、病院送迎で使う車のガソリン代やちょっとした買い物などの細々したお金から、実費で購入しないといけない福祉用具などさまざまなお金が必要になります。

 

直接、親の介護に参加できないときは、このような介護に必要なお金を分担してもらうことで、介護に参加してもらいましょう。

 

親の介護で兄弟が不仲や喧嘩を避けるには

親の介護で兄弟が不仲や喧嘩をしないためにも普段から親の介護について、兄弟が気軽に話しができるような関係を作っておくことが大切です。

 

親の介護が必要になったときには、家族会議を開いて、親の情報を共有し、介護の役割分担などを決めておくと、ストレスなくスムーズな介護が行なうことができます。

 

家族会議で介護の役割分担を決める内容は、

 

1.介護の中心となる人を決める

 

2.親の貯金や不動産など、どれくらいの資産あるのかを確認する

 

3.親に貯金や不動産などの資産がない場合は、兄弟で介護に使うための積立貯金をする

 

4.介護に直接参加できない人は、口は出さずにお金を出す

 

5.兄弟間ではLineなどを活用して、こまめに連絡をとりながら親の情報を共有する

 

の5点になります。

 

もしも、親が認知症を発症していて、お金の管理が難しくなっているときは、誰が親のお金の管理をするかを決めておきましょう。

 

親の介護をはじめる前に家族会議で役割分担を決めておくことで、親の介護が原因で兄弟同士が不仲にならず、喧嘩も避けることができます。

 

親の介護について兄弟でどのようにしていくかを考えはじめたときには、ここでお伝えしていることを参考にしてみてください。

 

まとめ

ここまで兄弟が親の介護をしない理由や親の介護を兄弟で分担する方法、親の介護が理由で兄弟の不仲や喧嘩を避ける方法についてお話ししてきました。

 

まだ親が健在だと介護はしばらく無縁だと考えてしまいますが、いづれ親の介護はやってきます。

 

その時に慌てないように普段から兄弟でどのように親の介護をしていくのかなど、兄弟で話す機会を持つようにしていきましょう。

 

また、近年では親の介護のために仕事を辞める介護離職が増えつつあるようです。

 

介護離職についてはコチラ↓の記事を参考にしてくださいね。

 

介護のために離職という選択 統計からみえてくる介護離職の現実

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