
訪問介護は、在宅介護の要ともいわれており、高齢者の自宅を訪問して介護や家事、食事提供などのサービスを行います。
近頃の新型コロナウイルス対策で、人との接触を減らすようにする取り組みが始まりました。
しかし、介護の現場では、人との接触は避けられません。
介護の現場に訪問するホームヘルパーは、利用者とのソーシャルディスタンスも不可能であり、濃厚接触が避けられない状態となっています。
こうなってしまうと、絶対に避けなくてはいけないのが、ヘルパーがウイルスの媒介者となってしまうことです。
高齢者は抵抗力が弱く、新型コロナウイルスにかかってしまうと取り返しのつかないことになってしまうことも十分考えられる為、そのような不安が訪問ヘルパーに重くのしかかっているのです。
また、訪問ヘルパー自身も60歳以上の割合が多く、自身の感染への不安も高まっています。
そのような事態を避けるため、この記事では、厚生労働省の「 高齢者介護施設における感染対策マニュアル 」をもとに、介護の際の感染症対策についてご紹介していきます。
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訪問介護における介助時のポイント
マスクの着用、手洗い、手指消毒はもちろんですが、ここでは、食事介助、排泄介助の際に特に気をつけることについてご紹介します。
食事介助の際に気をつけること
食事は利用者さんが直接口をつけるものですので、ウイルスが口から入らないように、また、ヘルパー自身もウイルスを吸い込まないように対策を徹底します。
● 利用者の食前の手洗いを徹底する
● 清潔な食器や器具を使用する
● 吸い飲みなどは特に食器用洗剤を使用し、きれいに洗う
排泄介助の際に気をつけること
尿や便には病原体が存在していると考え、付着した病原体を持ち出さないようにする方法を取りましょう。
また、ウイルスはマスクを通り抜けてしまうこともあると考えられるほど小さなものです。
手袋をしていても、手にウイルスが付着することは十分に考えられます。
手袋をしていても、手洗いや手指消毒をきちんと行うことや、ヘルパーが勤務を終えて帰宅した際にも、お風呂で身体を洗い流すことを徹底しましょう。
● 使い捨て手袋、マスク、エプロンやガウン等を使用する
● 使用した手袋やエプロン、マスクはケア終了ごとに密閉して廃棄し、新しいものと取り替える
● 手袋をしていても、手洗い・手指消毒はきちんと行う
⇒トイレのハンドドライヤーは使ってはいけない!菌が拡散するのは本当⁉
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まとめ
訪問介護では、感染症から高齢者施設利用者さんの生活と命を守り、安心・安全なサービスを提供すること、そして、一般の生活者でもあるヘルパーさん自身を感染症から守るためにも、感染症対策を正しく理解し実践していくことが大事であるといえます。
また、新型コロナウイルスが流行してから、「訪問介護で、普段は気にならないようなことでも、小さなトラブルクレームに繋がってしまうことが増えた」というヘルパーさんの声があります。
このようなことが起きる原因の一つとして、利用者側も、ヘルパー側も感染への不安を感じていることが挙げられます。
そのような不安を少しでも取り除くために、訪問ヘルパーは、普段よりももっと意識して利用者とコミュニケーションを取り、たくさん会話をすることが大事です。
誰もが大変な思いをしている今、お互いが置かれている状況を理解し合い、思いやりを持って接することが求められているのではないかと思います。
訪問介護は、利用者をマンツーマンでサポートするお仕事です。
利用者と向き合い、不安な気持ちを受け止めながら介助をしていくことが今こそ求められています。
また、このような不安の中で働くヘルパーの報酬を見直すことも必要といえるでしょう。
新型コロナウイルス感染の不安や、高齢者に感染させてしまうのではないかというプレッシャーから離職するヘルパーも増えているため、このままでは介護保険制度があっても利用できなくなってしまいます。
ヘルパーの使命感だけに頼るのではなく、ヘルパーの報酬面や、待遇面が向上することを切に願う次第です。
今回は「コロナ禍で気をつけたい介助のポイント」について紹介してきましたが、
「介護保険でヘルパーができることできないこと」についても
以下の記事にまとめてあるので参考にどうぞ。
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