介護のために離職という選択 統計からみえてくる介護離職の現実

目安時間:約 9分

親が倒れてしまい介護が必要になってしまった・・・

 

親の面倒を看れるのは自分しかいない・・・

 

などの理由から仕事を辞めて介護に専念しようかと考えてはいませんか?

 

仕事を辞めるのはちょっとまってください。

仕事を辞めると無職になり、当然ながら収入もなくなってしまいます。

 

また、介護は入浴の補助や排泄の補助、食事の補助から掃除や洗濯、病院の送迎など多岐にわたり、日々の介護はあなたが思っている以上に大変なものです。

 

介護は24時間365日、昼夜をとわずあなたにのしかかってきます。

 

つまり、あなたがこれまで経験をしたことがない束縛された日々を送ることになるのです。

 

これまで自分を育ててくれた親だから何が何でも面倒をみたいという気持ちはわかりますが、仕事を辞めて介護に専念した生活を送ると、息を抜く時間がなくなり心身ともに疲れてしまい、介護によるストレスが原因で体調をくずしたり、介護うつになることもあります。

 

そうなると親子共倒れといった不幸な結末をまねきかねません。

 

介護はいつか終わりを迎えますが、介護が終わってからもあなたの人生は続いていきます。

 

介護が終わったときに仕事がなく、心身ともに疲れ、経済的に苦しくなったあなたが介護前のような生活に戻るのはそう容易ではなく、待っているのは厳しい現実だけです。

 

親の介護で離職を決断する前には、介護が終わった後の人生のことも含めてよく考える必要があります。

 

この記事では、親の介護をするために離職した人の現状や離職を決意した理由、離職をした後の問題点、仕事と介護を両立させるポイントについて解説していきますので、親の介護をするために離職をするかどうかを悩んでいる方は参考にしてみてください。

 

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介護離職とは

介護離職とは、親や家族の介護をするために仕事を辞めることで、年齢的にも40~50代の働き盛りで、しかも管理職や熟練工といった責任ある仕事に従事している人が多くいます。

 

リーダーシップ力があり、現場の中核として責任ある人材が退職してしまうのは会社にとっても大きな損失になるので、厚生労働省も介護離職をしないように労働者や経営者に向けて様々な支援事業のピーアールをして、労働者の継続就業の促進活動をしています。

 

介護をするために離職をした人の現状

総務省が平成30年7月にまとめた「平成29年就業構造基本調査」の結果の概要には、平成28年10月~平成29年9月の1年間で99,000人の人が介護や看護のために前職を離職しています。

引用元;http://www.stat.go.jp/info/kenkyu/roudou/h30/pdf/12giji2_3007.pdf

 

99,000人の内訳は、男性が24,000人で女性が75,000人になっていて、実に女性が80%を占めています。

介護のために離職を決意した理由とは

介護のために離職を決意した理由はさまざまあります。

 

厚生労働省が平成24年に三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社に委託した、「仕事と介護の両立に関する労働者アンケート調査」の結果によると、回答が多かった上位は、

 

1.仕事と手助け・介護の両立が難しい職場だったため

2.自分の心身の健康状態が悪化したため

3.自身の希望として手助け・介護に専念したかったため

4.施設へ入居できず手助け・介護の負担が増えたため

5.自分自身で手助け・介護するとサービスなどの利用料を軽減できるため

 

の5つになります。

 

仕事と手助け・介護の両立が難しい職場だったため」は男女ともに62%で、「自分の心身の健康状態が悪化したため」は男性で25%、女性で32%と、この2つの理由が多数を占めています。

 

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介護離職をした後の問題点

介護離職をした後の問題点としては、仕事を続けたかったという離職に対する後悔と、精神面や肉体面、経済的に負担が増えたということです。

 

厚生労働省が平成24年に三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社に委託した、「仕事と介護の両立に関する労働者アンケート調査」の結果によると、介護離職した後の「就業継続の意向」については、続けたかったという回答が男性、女性ともに56%と半数以上の人が就業継続を希望していて、仕事を辞めたことへの後悔ともとれる結果がでています。

 

引用元;https://www.mhlw.go.jp/bunya/koyoukintou/dl/h24_itakuchousa05.pdf

 

また、「介護離職後の負担」については、精神面については64.9%、肉体面では56.6%、経済面では74.9%の人がそれぞれ「非常に負担が増した」、「負担が増した」と回答していて、離職前より負担が増していると感じています。

 

引用元;https://www.mhlw.go.jp/bunya/koyoukintou/dl/h24_itakuchousa05.pdf

 

介護と仕事を両立させるポイント

介護のために離職をした後の問題点についてでもお伝えしましたが、仕事を続けたかったという人が多くいて、精神面や肉体面、経済面でも負担が大きくなっているという点から考えると、介護のために仕事を辞めるということは必ずしも賢明な選択とは思われません。

 

介護には看取りという終わりが必ずやってきますが、介護をしてきたあなたの人生は介護が終わっても続いていくので、介護と仕事を両立させることが望ましい選択です。

 

介護と仕事を両立させるポイントは、

1.職場で「介護をしている」ことを伝えて、仕事と介護の両立支援制度を利用する

 

2.介護保険が使えるように早めに介護認定を受けて準備をはじめる

 

3.ケアマネージャーとコミュニケーションをとり、何でも相談できる信頼関係を作る

 

4.普段から親族や兄弟、介護者が住んでいる近隣の人と良好な関係を築く

 

5.介護保険のサービスを使って、自分で介護をしすぎない

 

6.介護を自分だけで抱えこまずに、自分の時間も大切にする

 

の6点になります。

 

例えば、休暇・休業の取得に関する制度で半日単位の休暇制度を使って病院の通院をしたり、短時間勤務制度のフレックスタイム制度を使って送迎をすることもできます。

 

また、介護保険サービスの訪問介護や訪問入浴介護、家事支援サービスを使うことで、時間に余裕ができるので仕事をしたり自分の時間も確保することができます。

 

介護のために仕事を辞めるという選択は最後の最後までとっておいてください。

 

ケアマネージャーさんに相談して、どういった介護が必要なのかなど介護の現状を把握し、親族や兄弟でどういった介護ができるのか、介護が分担ができないかなど話し合いをしてみてください。

 

勤めている会社の休暇、休業の支援制度を利用しながら介護保険サービスを最大限に活用することで、肉体的負担、精神的負担が少しでもやわらぎますので、まずは、介護と仕事を両立させることからはじめてみてはいかがでしょうか。

 

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カテゴリ:介護と仕事  [コメント:0]

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